表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VALLERY  作者: 鰻河
1/12

序章 その男はヴァレリー

お久しぶりです。

今回はドカンと一発ファンタジー。

一応書ききっているのかな?

そんなわけでVALLERY、スタートです。

「ジンジャー・カスタス! あなたは何を言っているのかわかっているのかしら!」

 十四程の少女は腕を高く掲げて正面の少年に向かって叫んだ。

「もちろん! 僕はネクロマンサ家の人間だ。ゲスなアルケミスト家のブタ共とはちがうってことを述べただけさ!」

 相対するジンジャーと呼ばれた少年は、分厚い本をぱらぱらと捲りながら少女を馬鹿にした。

「あら、その古めかしい白紙の本一冊で何が出来るの? ページをちぎって紙飛行機でも折るつもり? 紙飛行機ではこのアルケミスト家屈指の錬成士ユリアン・オルキーヌには勝てないわよ」

 ユリアンと名乗った少女の腕は機械で包まれていた。回転しながら蒸気を吹き上げる鋼鉄。その先端にはチェーンソーの刃がある。

「あはははは、無様な姿だね! この鉄塊女! さっさと土下座したらどうだい? 『私は無様なクズでゴミ虫です。ですから、あなた方誇り高きネクロマンサ家の華麗な魔術を惨めな私めに授けて下さい』ってね!」

 ジンジャーが本に手をかざすと、不思議なことに紫色の文字が浮かび上がった。

「『――夢幻の闇夜――悠久の星々――ここに集え、魔人の下僕』」

 その文字を読み上げると、本から紫色の炎が現れる。 

「男ならそんなちまちましたことやってないで正面からかかってきなさいよ!」

 炎はユリアンへと一直線に飛び込んだ。しかし、ユリアンも右腕の武装を軽々と持ち上げて、走り出す。その間にもジンジャーは、他のページに手をかざし、文字を出現させて読み上げる。

「君こそ本当は男じゃないのかい? 『――遙かなる炎の海――精霊の森に住まう獣王よ、その姿を顕現させたまえ』」

 ジンジャーが言葉を言い終わったとき、ユリアンの目の前に紫色の炎の獣が立ちふさがる。

「さあ、骨の髄まで溶かしてしまえ! ランデイ!」

 ランデイというニックネームらしい獣は唸り声一つあげずにアイリンの喉に食らいつこうとしたその時、

「おい、俺も交ぜろよ」

 ユリアンの装甲は崩れ落ちた。

 ジンジャーの呼び出した炎とランデイはかき消えた。

 そして二人は声を合わせて、

「「うへ……、ヴァレリー!」」

 と防砂林の中から現れた紺色の髪の青年を見て口から何かが飛び出すくらいびっくりした。

 ヴァレリーの右手に可愛らしい仔ギツネがいるのだから。



 大陸の西にある「シグナ半島」。そこに住む人々は主に二つに分けられる。

魔術を使用する「ネクロマンサ家」か、錬成術を使用する「アルケミスト家」か。

 彼らはシグナ半島の領地を争っている貴族である。

 そして、同時にシグナ半島に縛られ、呪われた人間だ。

どうでしょうか?もちろんこれはまだはじまりにすぎません。プロローグですよ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ