取り置き。
「あー。
いらないや。」
僕もそんな風にして、いつか君に捨てられるのだろうか?
ちょっと、思い切り良すぎだよ。ハニー!!
取り置き。
実家の母がよく言っていた。
片付けの基本は、思い切り!!と勇気!
らしい…。
らしい…。と、言うのも言いだしっぺの本人である母が一番出来てないからだ。
あの人は今も昔も口だけは達者だった。
そして、僕は万年なんだかあんまり綺麗じゃない家の中で生活をして
絶対、綺麗好きで気の利く可愛い彼女と付き合おう。と心の中できめたいた。
きめていたハズだったのだか…
一目ぼれして、もうアプローチの末に彼女と付き合い始めて、
そこでやっと、彼女には上の2つの形容詞がとれていることに気がついた。
綺麗好きで気の利く可愛い彼女と付き合うはずが、彼女は可愛い彼女だった。
残念すぎることに彼女は掃除が苦手というよりしない人な上に、気が利くというよりも天然入っていた。
部屋の中にはいつか使うかもしれない。きっと。たぶん。そんな代物がてんこ盛りー!
だけど、今はまだ使ってない。
合言葉は、「いつかきっと!!ネバー役に立つ!」←使い方間違ってるよ!!!
声を大にして叫んでるけど、わけの分からんモノに占拠され さながらっ彼女の城はゴミの城のようになっている。
片付けたことはあるのか?と問いたくなるような、そんな現状?
そもそもの事の発端は、久方ぶりに訪れた彼女の部屋で、唐突に彼女が思い出したのが原因である。
「あ。お気に入りのネックレス、チェーンのアレがない。」
まさに唐突。
安全スペースのソファの上に座り、とりあえずDVDを見ている時に言い出した。
「(だから、何だ!!?)」
思っていても口に出せない。
若干天然入ったワガママな彼女を持つ、草食系男子の悲しい性
言わずとも彼女が言いたいことは分かっている。
「(探せてっか!!探せっていうのか!!!そして、アレで分かる、僕スゲー。)」
訳
「あ(れー?)。お気に入りのネックレス(をこの前付けようと思ってたのに)、チェーン(に通っててるはず)のアレ(チャーム)がない(んだよねー)。(ってことで、探せ。)」
そして、じーーーーっと、僕を見つめてくる彼女に押しに弱い草食系男子である僕は 逆らえるはずもなく。
絶望的な思いで、僕はそのジャングルのようなゴミダメの中から捜索を始めようとしたその直後 彼女は、つい先日まで部屋の中に取り置かれたモノを全部 ゴミ箱の中にツッコミやがった。
「あー。
いらないや。」
それを見て、捨てられる!!
そう思った僕は 悲しい上に虚しくなるぐらい 何だかんだで彼女にベタ惚れだった。