12 国王瀬田良平に謁見する_08
* *
「お嬢さん、どうしたのぉ?」
私(英子)は、その少女に相好を崩しながら話しかけていた。
う~ん、だってぇ~~っ、……。
その子ってさ、耳が尖っていて、……。何だかお高そうな、緑色の滑らかな民族服を身にまとっているんだよ。
「……」
すると、その少女は無言でオレンジジュースの瓶に手を伸ばしたので、サッと取って渡して上げた。
「ふむ、……」
その子はひとことそう言って、その小さな手でガラスのコップにオレンジジュースを注ぎ始めた。
あぁ、……。エルフの子だぁ~~っ!! と英子は思った。
「お名前は?」
「フィルマ」
えぇ~っ、かぁ~わぁいぃいぃ~っ!!
「かわいいねっ!」
私もさぁ、子供の頃からそう言われ慣れているんだけど、……。
でも、自分からその言葉を使うのは今回が初めてで、……。その時の大人達の気持ちが、少しだけワカったような気がした。
「ふむっ!」
こちらを見上げて、ニコォッと笑う少女。
うんっ! かわいいっ!?
何これっ!? 何この破壊力っ!?
お姉さん、……。頭ン中が、思わずポカポカしてきちゃったよっ!?
「英子さん、……。その子はハイエルフの末裔でしてな。瀬田中佐が新国王として代が替わった際、エルフの里からこの子を単身寄こしてきたんです!」
「へぇ~っ、そうなんですか」
斎木さんの言葉に、英子はひとつ頷いていると、……。
横からさも当然のように、国王の瀬田さんが、こちらのグラスにビールを注いだ。
それを斎木さんが一瞬見咎めたような表情を浮かべたものの、……。
「本日は無礼講だよ!」
そう仰って、瀬田さんがニシシとお笑いになった。
なら、こちらも瀬田さんのグラスにビールを注ごうと思ったら、斎木さんがごく当たり前のように、瀬田さんのグラスをいっぱいにしていた。
あぁ、……。私は、まだまだ社会人慣れしていないなぁと、しみじみと英子は反省する。
すると、……。
おやぁ!? その少女は丸いつぶらな瞳で、こちらの表情をじっと窺っていた。
実を言うと、……。私は、こういった目つきの子を何人か知っている。
子供の頃、一時期通っていた研究所に、同じ年頃の子ばかり集められて、様々な研究を行っていた。
私もそんな被験者の一人で、……。私の得意分野は、「完全記憶能力」だった。
もしかすると、この子もそんな能力持ちの一人なのかもしれないなぁと英子は思った。
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