12 国王瀬田良平に謁見する_06
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壁に備え付けの日本製と思しき時計を見ると、19時を少し回っていた。
私(英子)は気が付くと、窓の外も夕暮れ時を過ぎて、いつの間にか暗くなっている。
斎木さんが、光魔石の天井照明のスイッチを入れると、パッと室内が明るくなった。
「そうだ、2人とも。キミ達が帰ってくると思って、こちらでもサプライズを用意しておいたよ!」
国王の瀬田さんがそう仰って、ニカッとお笑いになる。
それにしても、何だろ? サプライズって?
そもそも、そのやったら若い見た目からいって、相当なサプライズじゃない?
斎木さんが、見た目イケてるミドルでしょ。
なら、その上官も髭を蓄えたような威厳のある人、……。もしくは、目つきの鋭い冷徹そうな人を想像していたんだけどさ。
なのに、目の前にいる人は、……。
う~ん、何て言うんだろ? 親戚にでもいそうな、お人好し風の、気のいい大学生の兄さんって感じじゃない。
私は、ちらりと斎木さんを見た。すると、薄く笑って頷き返すため、こちらもひとつ頷いた。
「瀬田中佐殿、サプライズって、一体何です?」
そうしたら、瀬田さんはパァ~と表情を輝かせて、……。
「和食だよ、和食ぅ―っ! キミ達に、ぜひとも食べさせようと思って、特別に用意したんだよっ!」
「えっ!? それは、楽しみかも!」
私は、思わずそう呟いていた。
「だろぉ――っ! 日本人なら、異国の地でも和食を食べたいよな?」
「……」
よく海外の日本食レストランで、我々日本人では到底想像できないような和食を提供することがある。
同じ地球でもそうなんだから、ましてやここヤムントなんて異世界なワケだし、……。
ホンと、トンでも料理が出てくるんじゃないかな?
そうだねぇ、……。むしろ、興味が湧いてきたかも、……。
「ほぅ、英子さん。ちゃんとした和食だからさ!」
「えっ!? いえ、そんなつもりじゃ、……」
「うっそだぁ~っ! 顔にはそう書いてあるよぉ!」
「えぇ~っ、マジですかぁ!?」
あれっ!? あれぇ――っ!?
いつの間にか、その辺の大学生のノリで王様と話しちゃってる。
いくら相手が斎木さんと同じ旧軍出身の日本人とはいえ、さすがにそれはマズいよね!?
つい助けを求めるように、斎木さんをちらりと見た。
そうしたら、斎木さんは、「ふぅ――っ」と深く長いため息を吐く。
「だから、言ったじゃないですか!」
えぇ――っ!? そんなことを斎木さん、ひとことも言ってなかったよっ!?
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