12 国王瀬田良平に謁見する_03
* *
車両が王宮付近までくると、……。
王宮に出入りする多くの業者の馬車が、順番待ちをして渋滞になっていた。
「凄い混んでいますね!」
私(英子)が斎木さんに率直に言うと、「ふむ、……。まぁ、何とかなりますよ」といって、少しだけ車速を落として近付いていく。
きっちりと並んでいる馬車を横目に、ほとんど素通りで進んでいくと、……。
数名の衛兵が検問所から出てきて、こちらの行く手を塞いだ。
斎木さんは車両をその前でゆっくりと停車させ、運転席側の窓ガラスを降ろした。
「サイキ様、この度は長く出張されてらしたのですね?」
衛兵の長らしき口髭を付けた者が、訊ねてきた。
その男性は、助手席に座っている私をちらりと見て、「ふむ」といって、何か勝手に納得したような表情をしてから、ひとつ頷いた。
「えぇ。これからしばらくの間、我々はこちらに滞在しますので、よろしく!」
「了解致しました。王宮へのご帰還、家臣一同歓迎致します!」
どうやら、斎木さんは新国王、瀬田良平の直属の部下であるため、この王宮では一目置かれているのかなぁと英子は思った。
その後も、2人の乗る車両はほとんどフリーパスで内部を通過していく。
数分の後、漸く車止めに停車すると、斎木さんはエンジンを切った。
「ふぅ――っ。やっと到着です。長旅お疲れ様でした!」
「こちらこそ。慣れないところをご指導頂き、ありがとうございます!」
お互いに頭を下げ合って挨拶をすると、思わず笑顔になった。
「では、英子さん。ここから先は、武器を使わない戦場です。無事日本に帰還できるよう、私も応援しますので、……。とにかく、ここまできてくれてありがとう!」
「はい、……」
斎木さんの差し出してきた右手を掴んだら、もうそれだけで泣けそうな気分になってしまった。
すると、……。
どこからともなく現れた衛兵が、パジェロを守るように一人張り付いてきた。
何だろう、この人? と英子は不思議に思う。
「我々からしたら、このパジェロは自衛隊仕様のただの車両ですが、……。ここヤムントでは、とても貴重な戦略物資となります。だから、あぁして衛兵にガードさせているんですよ!」
「……」
そっか。ついに私も戦場に入ってしまったんだなぁと、……。英子は思った。
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