11 トラヴィス伯爵邸にて_21
* *
「エイコ様、……。私からもよろしいでしょうか?」
「はい。どうぞどうぞ!」
続けて、お嬢様からもいくつか質問を受けた。その主なものは、日本の公教育、学校に関するものだった。
私(英子)は、さて、……。どう答えたらいいだろうかと思った。
とりあえず、ちらりと斎木さんの方を見ると、……。
「質問を受けたのは、英子さんです。責任を持って、お答え頂けるとよろしいかと!」
えぇ――っ!? そんなこと、言うのぉ!?
それってさぁ、……。要は、私に丸投げってことじゃない!
ふと、視線を感じ、改めてお嬢様を見ると、……。
その期待値の高そうな輝いた目に、……。思わず、私で大丈夫かなぁと眉間に皺を寄せて考えてしまう。
「エイコ様、日本の学校って、雰囲気とかどうですか? たくさんの生徒さんがいらっしゃるんですか? 教育制度についても、お訊きしたいですっ!」
そんなに熱心な表情で、こちらを見てこられるもんだからさ。
う~ん、参ったなぁ。私、公教育というか、学校って、友情を育む場というより、むしろライバル達との競り合い、凌ぎ合いの現場ってイメージの方が強いんだよねぇ。
何かさぁ、あまりいいイメージがないっていうのが本音なんだよ。
まぁ、……。お嬢様のご期待には、ちゃんと応えるつもりなんだけどね。
「そうですねぇ、……。先ほどの映像でもお伝えしていたと思うのですが、……。日本って国は、人口が一億二千万人もいるんです。それは学生達若年層も同様で、私が義務教育、……って、そうですね、6歳から15歳までは、公立か私立の教育を受ける義務があるのですが、……」
「凄いですねっ! 教育が義務だなんて、とても羨ましいですっ!」
たははっ。そんなに目を輝かせて、もう……。
お姉さん、あなたの瞳が眩し過ぎて、思わず目がクラクラしてしまいそうです。
「とにかく、学生の数も多いですから、……」
ここで私は一度、今いる部屋をざっと見渡した。
「そうですねぇ、……。この部屋くらいのスペースに、学生が男女合わせて50人くらいで机と椅子を並べて、授業を受けてましたね」
「男女共学なのですか? 身分とかはどうなのですか?」
「そうですねぇ、……。身分は、一律『学生』という扱いになります。日本には、現在身分制度そのものがありませんので、……」
そこまで話すと、「ヤムントでは、王都以外、貴族でも学校に入るのは大変です!」と聞かされた。
「それでしたら、ここの領都でも、寺小屋を活用されてみては如何でしょうか?」
私が、そう申し上げたところ、……。
「エイコ殿、私からも伺ってよろしいですかな?」
トラヴィス伯爵はおもむろに手を上げると、こちらの話に加わってこられた。
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