11 トラヴィス伯爵邸にて_09
* *
「英子さん、……。ここはあなたの技術を見込んで、やって頂きたいことがあるのですが、……」
「はい?」
さて、斎木さんは私(英子)に、一体何をさせようとしているのだろうか?
私の技術を見込んでということなのだけど、……。それって、やっぱりあれかな?
「バルディ男爵邸で、男爵の奥方とご息女に化粧をされていたが、……。トラヴィス伯爵邸でも、同様にお願いできませんか?」
うん、ビンゴ! やっぱり、人類の半分は女性だから、……ね。
私のコスメテクニックは、ここ異世界のヤムント国でも十分役立つと思ったんだ。
だって、女の子はいくつになっても、かわいくなりたいものだからね。
「ふふっ、構いませんよ!」
「ヤムントにきて早々、英子さんには働いて貰って、大変申しワケないのですが、……」
「いえいえ、……」
こちらが笑顔で応じると、斎木さんは、件のアタッシュケースを引っ張り出した。
さて、一体何が入っているのだろうなぁと思って見ていると、……。
斎木さんは、ガチャリと音を立てて、中を開けた。
ふむふむ、……。お高そうなウイスキーと、定番の基礎化粧品が数点と、化粧水か、……。
「斎木さん、……。こちらの化粧水は、新製品ですね?」
私がそう言って、ツンと指さすと、……。
「えぇ、……。日本を出発の際、女性の職員達から勧められて、とりあえず持ってきたものなのですが、……」
まぁ、……。そりゃぁ、そうだろうね。
男性からしてみたら、化粧水と言われたって、ほとんどちんぷんかんぷんなんじゃないかなぁって思うんだよね。
「ちょっと、いいですか?」
そう言って、その化粧水の瓶を手に取って、成分表示をじっと見る。
セラミド、ヒアルロン酸、グリセリン、ヘパリン類似物質、スクワラン、……。
保湿力の高い成分が多く含まれていて、これは相当にお高い製品なのではないかと英子は思った。
「とりあえず、私にもこの化粧水を試させて下さい!」
「えぇ、……。構いませんが」
さっそく、右手の甲に軽く塗布してみた。
すると、……。プルンと艶肌が、速成で出来上がった。
「凄い効き目ですね、これっ!?」
「えぇ、全くですな!」
斎木さんはそう言った後、「すみませんが、お願いします!」と付け加えて、頭を下げた。
「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!
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