11 トラヴィス伯爵邸にて_01
「英子さん、……。以前にも申しましたとおり、我々も王国も英子さんの仕事に介入することは、ほとんどありません。ご自身の思ったとおりにされて、構いませんよ!」
斎木は運転中のため、ハンドルを握りながらそう言ってきた。
「でも、……。何故なんですか? 私で、それは良かったのですか?」
「……」
斎木は無言で私(英子)の方を見ると、……。ニコリと笑った。
「我々は、あなたに期待しているんです!」
「!?」
最大限の誉め言葉だ。
こんな言葉を、あれほどの怪物を一撃必殺で仕留めるプロフェッショナルな斎木が、そう言うんだよ。
だったら、もうその言葉を信じて、こちらも奮起するしかないじゃない!
「いいえ。私は怖くなったり、イヤになったりしたワケじゃぁないんです、……」
「……」
「斎木さん、あなたのようなプロフェッショナルに期待されるほどの活躍ができるのか、……。それだけが不安なだけです!」
すると、斎木は左手を伸ばして、こちらの右肩を静かに掴んだ。
「大丈夫。あなたならちゃんと、このとんでもない異世界でも活躍できます!」
斎木を見ると、その目はとても力強いものだった。
まるでウソ偽りのないその表情に、大きく励まされたような気がした。
「頑張ります。まぁできる範囲ですけど!」
こちらもさぁ、……。少しだけ語気を強くして宣言しちゃったよ。
もう、……。勢いで今後のことを決めちゃった感じかなぁとも思うけど、決して後で悔やんだりすることはないだろう。
「それでこそ、英子さんだ。やはり、あなたはキラキラと眩しい存在ですな!」
斎木はそう言って、笑顔で運転に集中し始める。
それからしばらくの間、……。おそらく林を抜けてから30キロほど田園地帯を走った頃なのだけど。
これまでまばらだった馬車の数が、目に見えて増えていった気がする。
おそらく、次の目的地トラヴィス伯爵領の領都まで、あと少しといったところまできているのだろう。
「そうそう、……。王国が英子さんに求めている役割を、そろそろ伝えておきます!」
するりと、前触れなく斎木は話し出してきた。
思わず息を飲み込みつつ、「はいっ!」と大きく返事をしたら、斎木はくすっと鼻で笑った。
その表情はとても穏やかで、……。今後、私が斎木と接する際には、今の私のこの態度を忘れないでおこうと英子は思った。
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