10 深夜の抗戦_09
* *
「すっごぃ、大っきぃ~んですねぇ――っ!?」
私(英子)は、バルディ男爵と斎木の案内で現場の草原に訪れると、……。
ホブゴブリンの余りにも巨大な肢体に、思わずそう言葉がこぼれた。
「えぇ、確かに。これほどの大物は、そうそうお目にかかれませんな!」
バルディ男爵はそう仰いながら、顎髭を少しだけ弄りなさった。
遠目でも巨大なサイズだったのだが、……。
それが、いざ直ぐ傍まできてみると、まるで2階建ての家が倒壊して横になっているような印象すら受けた。
ちらりと斎木の方を見ると、……。
彼は特に大物を仕留めた高揚感など少しも見せず、淡々とホブゴブリンの眉間の辺りを触っていた。
「ここに一撃、……。というワケですかな?」
そう男爵が仰って、斎木と共に深く開いた銃創をじっとご覧になった。
「えぇ。何とかこのゴブリンの暴走を止めることができて、良かったと思います」
「ふむ。サイキ殿、今後我々にも、そのライフルという武器を供与して貰うことは叶いませんか?」
「そうですな。今後の検討項目に、加えておきます」
ふむふむ。それって官僚用語で、「いやぁ、ダメですよ!」って暗に言っているんじゃないのかな?
ちゃんと男爵に、その意図は伝わっているのかなぁ、……と英子は横で聞きながら思った。
「それでは、始めますかな?」
男爵はそう仰ると、先ほどから待機していた屋敷の家人達に対し、……。
「者どもっ! 剥ぎ取りを始めろ―――っ!!」
「「「「「「「「「「おうっ!!」」」」」」」」」」
すると、男爵から先ほどより「待った!」がかかっていた男性陣が目の色を変えて、次々とホブゴブリンの身体に巻き付いている様々な貴金属、アクセサリーを剥ぎ取り始めた。
うわぁ~~っ。この貴金属って、たぶんバルディ男爵領とかその周辺の街や村々を襲って強奪したジュエリーとかだよね。
これらが全てバルディ男爵の取り分となるワケだから、家人の皆さんもホンと鼻息荒いなぁと英子は思った。
さて、……と。
英子は、その現場から少し離れた位置にある岩の上に腰かけると、……。
気の向くままに、その剥ぎ取りの光景をスケッチブックに描き始めた。
「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!
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