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魁!断筆姉さん!!  作者: 西洋司


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10 深夜の抗戦_06

   *         *


 腕時計を見ると、戦闘が始まってから、いつの間にか2時間が経過していた。


 第一陣の雑兵のゴブリンを撃破した後、第二陣のゴブリンライダーの集団の攻撃も、男性陣の弓兵による射撃や斎木のライフル攻撃で全て鎮圧した。


 残りは、総大将のホブゴブリンと数体のゴブリン達。今のところ、彼らに撤退の様子はないみたい。

 そして、……この30分は、まさに小康しょうこう状態になっていると言えるのかも。


「もう直ぐ朝になる、……」


 私(英子)は、そう呟いた。

 そろそろ遠くにそびえるフォルナ山のから、太陽が少しずつだけど、上りつつあるのが確認できたからね。


「ふぅ―――っ」


 思わず深く長いため息を吐くと、額の汗を手の甲でぬぐった。


 幸いなことに、これまでに女性陣の中に負傷者は出ていない。

 おそらく、奥方様のリーダーシップもさることながら、バルディ家の女性や子供達が協力して卒なく戦闘を行ったことが、最大の原因なんだろうなぁと英子は思った。


 女性陣が構えているやしきの中庭には、血の海に横たわる雑兵のゴブリンの無数の死体。

 見たくないなぁと思いつつも、つい見入ってしまう。


 しかも性質たちの悪いことに、私は絶対記憶能力の保持者だ。

 この戦場の様子やその経緯いきさつが、ホンと手に取るように頭の中にイメージが焼き付いてしまうのだ。


 日本でも戦時中に多くの従軍画家がいて、……。その人達は戦意高揚の目的で多くの作品を描いていった。


 中には、現代日本人である私の目から見ても、その写実性も含めていくつも傑作があり、心を打たれることもしばしばあった。


 今、私は戦場にいる。それがたとえ異世界のヤムント国であっても、その衝撃が私の心から離れることは、決してないだろう。


 ようや人心地ひとごこち着いた頃、……。

 今でも散発的に防壁の上からライフル射撃をする、斎木を見上げた。


 彼は慣れた調子で次々と卒なく撃っていて、……。遠方からは、ゴブリンの断末魔の叫び声が、時おりこちらまで届いてくる。

 ホンと、斎木さんって頼もしい人だと思う。


 すると、……。


「ウッギャアアアアアァァァ――――ッッ!!」


 ついに、ホブゴブリンと他数体が、……。大きく絶叫しながら、邸の防壁目がけて突進してきた。

「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!

英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨

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