10 深夜の抗戦_05
* *
その次の瞬間、……。ついに、戦闘が開始された。
「ここは、ちょっとした砦のような造りのバルディ男爵邸です。そんじょそこらの攻撃では、簡単には落とせないでしょうな!」
先ほど、斎木さんは私(英子)にそう言っていたんだけどさ。でも、実際どうなるかは、始まってみないとワカらないとも言っていたっけ。
「ヒィキィィィィィィ―――ッッ!!」
四囲を武骨な防壁が取り囲み、そこを叫びながらよじ登ってくる雑兵のゴブリン達。
でも、即席の弓兵達が、上から弓に矢を番えながら、次々と狙い落していく。
そこを搔い潜ったゴブリンを、今度は槍兵が突き落とす。
それでもなお突破して敷地内に入ってきたゴブリンを、今度は女性陣が取り囲んで袋叩きにしたり、鋤や鎌を使って止めを刺す。
「はいっ、皆切り替え切り替えっ! 敵の主力は男性陣に任せて、私達は個別撃破よっ!!」
奥方様が両手を打ち鳴らしながら、皆を鼓舞するようにそうお叫びなさると、……。
「「「「「「「「「「おぅっ!!」」」」」」」」」」
女性陣全員でそう応じて、右足で2回、地面をズンズンと踏み鳴らした。
どうやら、先ほども奥方様がやったこのルーティンは、女性陣を勇気付けるのに上手く活用されているようだ。
それにしても、……。
私、さっきのゴブリン、……。とてもじゃないけど、仕留められなかった。
目の前には、血の海に横たわる頭の形がぐしゃっと潰れている、複数のゴブリンの死体。
月明りの下、……。深緑色の、140~150センチメートルほどの身体で、腰蓑姿のそれらは、……。
まるで、ハロウィンで仮装した人間の子供達のように見えなくもない。
私ってば、二足歩行する生き物を、あんな感じで殺害するのはちょっと無理かも、……。
こちらは、殺しができずに戸惑っているのだけど、……。
でも、女性陣は徐々に戦果を上げてくると、次第にお構いなくなって、とても慣れた様子だ。
「「「「「「「「「「いぃぃ~~やぁぁぁ―――――っすっっ!!!」」」」」」」」」」
たまに男性陣の仕掛けた網を搔い潜ってきた、ごく少数の魔物を個別撃破すると、その度に近場の者同士でハイタッチを交わしながら、大きく歓声を上げている。
あのマギーですら、死に物狂いで闘っている。
なのに、私は、……。
まるで戦力にならないのに、皆、こちらを励ましてくれる。
なら、とりあえずこちらも必死になって、フライパンでゴブリンの尻を引っ叩くことぐらいはできたからね。
まぁ、今のところ、女性陣は奇跡的に負傷者なしだよ。
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