10 深夜の抗戦_02
* *
中庭が静まり返る中、ここで、バルディ男爵は一拍置く。
250名の、……。男爵の家族に家臣から女中まで、その全ての者の目が、男爵の一身に注がれると、……。
「者どもっ、目ぇを覚ませぇぇ―――っ!!」
再び、バルディ男爵はそう絶叫した。
「ここ男爵家には、本日日本国より最重要人物がお二人ご訪問なさっておる。ならば、我々ヤムント貴族とその一門250名が誉れを見せんと、ここで粉骨砕身たる心意気を見せねばならぬのだぁ――っ!!」
「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」
緊張に、静まり返る中庭。
上手いなぁ、……と私(英子)は思った。
おそらく、ここにいる男爵一門250名全てが、当主の檄に触れ、己の内奥に潜む気概に、音もなく火が灯ったに違いない。
息を飲むような集中力に支配され、中庭の250名の意識がひとつになったところで、……。
「者どもっ、我に続けぇぇ―――っ!!」
バルディ男爵の、空気を割いて天高く届くような絶叫の後。
「「「「「「「「「「うらあああああぁぁぁ――――――っっっ!!!」」」」」」」」」」
総勢250名の魂の雄叫びが、男爵邸の四囲を轟かせた。
こうして、カタルシスが一気に解き放たれたのか、もう誰も不安そうな表情を浮かべる者はいない。
男性陣は先ほどのプレートアーマーを着た騎士を中心に防壁付近に集まり、女性と子供は、中庭で奥方様を中心に集まって、鋤や大鎌のような農具を持つ者、調理包丁を持つ者同士で、気勢を上げている。
「斎木さん、私達も何か手伝えませんか!? ただ見ているだけってワケにはいかないと思いますっ!!」
もしかすると、私もバルディ男爵の檄に触発されて、心の奥底のファイティングスピリッツに火が灯ったのかもしれない、……と英子は思った。
すると、斎木はちょっと意外そうな顔をして、こちらをじっと見た。
「我々だけはパジェロに乗って、早々にこの場を立ち去ることもできますよ?」
「えっ!? ダメですよね、そんなの、……」
思わず、本音が出てしまった。
「ワカりました。では、我々も男爵に加勢するとしますか!」
「はいっ」
深夜とはいえ、直ぐに臨戦態勢に入った男爵家一門。
斎木と英子も男爵に助太刀して、戦闘に加わることになった。
まぁ、英子は戦闘がからっきしなので、奥方様や女中達と共に、男性陣の手助け(サポート)に徹することになった。
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