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魁!断筆姉さん!!  作者: 西洋司


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10 深夜の抗戦_01

「者どもっ、目ぇを覚ませぇぇ―――っ!!」


 バルディ男爵が絶叫すると、みるみるウチに屋敷中の照明が次々と点いていった。


 すると、カンカンカンカンと警鐘を鳴らす者、点呼を始める者、……。

 屋敷中が騒然とする中、ものの5分もしないで、男爵の家族に家臣から女中まで、250名全員が中庭に集合した。


 ホンと、……凄いっ!? 

 私(英子)は、思わず息を飲んだ。


 なるほど、これが異世界の臨戦態勢というワケらしい。


 皆さん、鎧姿の者から寝間着姿の者まで様々だけど、……。

 でも、男爵のリーダーシップの迫力には、ホンと目を見張るものがあるなぁと英子は思った。


 うん?

 ふと、こちらも自分自身の今の姿を冷静に見たところ。


「~~~!?~~~」


 これは、マズいっ!!

 出るとこは出て、引っ込むところは引っ込む、くびれたボディ。


 この寝間着って、何で身体からだの線が、こんなにはっきり出てしまうんだろうねっ!

 いくら緊急事態とはいえ、さすがにちょっと恥ずかしくなった。


「英子さん、これを上に羽織って下さい!」


「す、すみません!」


 すると、大変ありがたいことに、斎木さんが気を使って、陸自の作業着の上着を用意してくれた。

 こちらも受け取ったら直ぐにそれを羽織って、とりあえず胸元をグッと隠す。


「者どもっ、全員揃ったかぁぁ―――っ!!」


 再びバルディ男爵が絶叫すると、整列して向き合う全員が、老若男女関係なく、……。


「「「「「「「「「「おぅっ!!」」」」」」」」」」


 全員でそう応じると、右足で2回、地面をズンズンと踏み鳴らした。


「者どもっ、これを見ろっ! ゴブリンだぁ―――っ!!」


 完全なプレートアーマー姿の騎士が、両手で先ほど仕留めたゴブリンの死体を上に掲げると、……。

 月光がその死体を静かに照らし、血がぽたぽたと床に垂れてくる。


 英子は、これはなかなかグロいなぁと思ったんだけど、……。

 でも、ここに集合した者の中に何事か声を発する者はなく、……とても静かなものだ。


「全部で3体、先ほど仕留めた。おそらく、これは斥候せっこうだ。ここからさほど遠くない場所に、本隊が迫っているといって間違いない!」


「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」


 何だか、さっきからバルディ男爵が剣呑なことを言っているんだけどさ。

 でも、ここに集められた者の中には、女も子供も多く含まれているというのに。ホンと、誰一人慌てて泣き叫ぶ者なんていないんだね。 


 ヤムントでは、こういった魔物の襲撃も、どうやら日常茶飯事なのかも、……と英子は思った。

「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!

英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨

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