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魁!断筆姉さん!!  作者: 西洋司


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09 バルディ男爵邸にて_03

   *         *


 ふぅ~っ。あまりフォーマルでなくて、ホンとよかった。

 まぁ、……。何とか、上手くこなせたかな?


 私(英子)は、初めての貴族との食事を無事済ませたことに、内心ホッとしていた。


 軽めの晩餐が終わると、先ほどより斎木はこの家の当主バルディ男爵と、日本から持ち込んだウィスキーを共に嗜みながら、何事か話し合っていた。


 すると、食事の間中、ずっとソワソワとしたご様子だった女子陣が、席をお立ちになってこちらを取り囲みなさったのだ。


「エイコ嬢、……。あなた、とてもお綺麗きれいですわね?」


「えっ、……。えぇ、まぁ」


 バルディ男爵の奥方様が、こちらでは何とも返答しづらい質問をされてこられた。

 まぁ、とりあえず、……。奥方様にも愛想よくスマイル、スマイル、……。


 そう英子が心がけていると。

 奥方様とお嬢様は、まじまじとこちらの、主にフェースをご覧になられた。


「エイコ様、マギーにもお化粧なされたでしょ?」


 あぁ、あの女中の若い子、……。マギーっていうんだ。

 ちらりとマギーを見ると、彼女は他の女中や召使い仲間から、熱い視線を浴びているようだった。


「えぇ、……。私のいた日本国のお化粧が、こちらヤムント国でも受け容れられるのかどうか、知りたかったんです。ご興味をお持ちですか?」


「はいっ!」


 お嬢様は、実に正直そうな満面の笑顔で、こくりと頷かれた。


「エイコ嬢、……もしよろしければ、私どもにもして頂けないかしら?」


 奥方様が、こちらの様子を窺うように、少し遠慮がちに仰った。


「えぇ、もちろんですよ」


 笑顔でそうお伝えすると、奥方様とお嬢様は「まぁっ!」、「やった!」と、それぞれ嬉しそうに微笑んだ。


 さて、……。こちらは、その母娘の顔の造形をじっと見て分析する。


 ふむふむ。田舎貴族とはいえ、上品さもあって感じのいい方達かも。

 その性格の良さが、顔の造形にもしっかりと表れている感じかなぁ、……などと英子は思った。


「マギー、ちょっとこちらにいらっしゃい!」


 奥方様はそう仰って、先ほど化粧を試した女中、マギーを呼んだ。


「はい、お呼びですか、奥方様?」


 マギーは少し緊張した面持ちで、こちらにやってくる。

 すると、奥方様とお嬢様は、マギーの化粧を施した顔をまじまじとご覧になっていらした。


 何だろう、……。お二人とも、時おりため息をお吐きになられていらっしゃるんだけど。


 一方、マギーは耳まで真っ赤にさせて、その貴族の母娘の熱視線を、全身小刻みに震えながら受け止めていた。

「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!

英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

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英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨

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