07 まさか、ゲートが霞が関にあるだなんて_06
* *
この千代田区の極秘施設にきて、……。かれこれ2か月が過ぎていた。
今、英子は施設内の大講堂で、多くの専門官の見守る中、演台で訓示を受けていた。
「大藪英子殿、……。これを以て全課程の研修が修了となります。大変厳しいメニューでしたが、よくぞ耐えられなさった!」
「はいっ」
「もう、これからいつでも現地で活動が可能ですよ! お疲れ様でしたっ!」
「ご指導、ありがとうございましたっ!」
盛大な拍手の中、英子は専門官相手に声を張り上げると、賞状のような書類を恭しく頂いた。
どうやら、公務員の世界では、こういう儀式っぽいのが当たり前みたい。
ふふっ。私ってば、もうすっかり特殊公務員が板に付いてきたんじゃないかなぁと、英子はしみじみと思った。
式の後、別室に移動して身の回りの品の整理をしていると、斎木が部屋に入ってきた。
「お疲れ様でした、英子さん!」
「はいっ。ありがとうございましたっ!」
英子はそう返事をして、お互いにふふふっと笑った。
「何だか、学生に戻ったような気分でしたよ」
「えぇ。私も兵学校の頃を、思い出しましたな」
お互いに、この2か月の間で、かなり打ち解けあったと英子は思う。
実際、これから始まる作戦は斎木とこちらとのツーマンセルスタイルで、現地で実行される。
だから、お互いの意志に、いささかの齟齬があってもいけないのだ。
英子は気を引き締めると、備え付けのテーブルの席に対面で座った。
「さて、大藪英子さん……。明日の深夜2時30分に、次元振動が発生します。我々は予定どおり、その時刻を以て、作戦を開始します。よろしいですね?」
「はい。構いませんっ!」
その声が、いささか勢い込んでいたのだろう。
斎木は、愛弟子を見つめるような眼差しで、こちらの両肩をポンポンと軽く叩いた。
明日深夜の次元振動のタイミングで、ついに任務スタートだ。
英子は私物を再び整理し終え、食事を終え、風呂に入って身を清めてから、早めに就寝した。
翌日の正午頃、16階の女子棟の自室の鍵を閉め、共同棟のプロジェクトルームに入室した。
そこで、女性職員によって支給された官服、自衛隊の深緑色の作業服に袖を通すと、そのままで待機となった。
「では、英子さん。そろそろ移動しますよ!」
深夜となり、待ちくたびれていた頃に、漸く斎木も国防色の作業服姿で現れた。
施設の裏庭近くにある車止めには、自衛隊仕様の深緑色のパジェロが、エンジンが点いたまま停車していた。
斎木に続いて、英子も乗車する。
「英子さん、フタフタサンマル、以上より、任地に移動開始です!」
「はいっ!」
英子も斎木に続いて、言葉を発す。
さて、……。これからどこまでゲート目指して進んでいくのだろう?
そんなことを英子が思っていると、……。
「英子さん、もう直ぐそこですよ!」
斎木はそう言って、英子達のいた公務員宿舎の真裏にある、近所の神社の敷地に入っていく。
まさか、こんな直ぐ傍だったとは、……と、さすがに驚く英子だった。
* *
2か月という短期間の間に、英子はプロジェクトに必要な全課程をクリアしました。
もう、後はゲートを進むのみですね。
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