05 機密解除、……とは!?_06
* *
「では、……。先ずこちらから、ご覧になって頂きますかね?」
そう言って、斎木は黒革の鞄から、テプラでナンバーの打ってあるプラスチックのファイルケースを、いくつも取り出してきた。
「これらは? 拝見しても?」
「えぇ、どうぞ。英子さんもこちらの写真をご覧になったら、我々の計画をよく理解されると思いますよ」
スッと、テーブルの上に複数の写真が並べられた。
その中には、英子が斎木のWeb日記で見た画像も数点含まれていた。
英子は、そのひとつを手に取ってじっと見る。
ホンとだ。これってCG画像じゃない。
でも、まさか本物の世界をカメラで写したなんて、あり得ないよと思った。
「他にも、こんな写真があります」
別のナンバーのファイルケースから、斎木は更に多くの写真を取り出してきた。
「斎木さん、……。これらは、地球のどこの国なんですか?」
「ヤムント国です。地球ではない、『異世界』に実在する王国です」
「またまたぁ、……」
英子は次々とそれらの写真を手に取って、食い入るように見続けた。
おそらく斎木さんは、私のことを揶揄っているんだよ。
どうせ東欧の田舎町かなんかで、カメラで撮影してきたに決まっているじゃん。
斎木さんは、ヤムント国が「異世界」とさも当然のように言うんだけどさ。
でも、「異世界」なんて、そんなのファンタジーの中の話だよね。
トールキンだよね。ルイスだよね。ル・グインだよね、……。
そんなの、現実であるワケないじゃん! と英子はなおも訝しく思った。
ヤムント国とやらの生写真について、斎木が真顔で語るには、……。
どうやらその国は中世ヨーロッパ風の文明レベルだということ。
まるで、高校の世界史の便覧にでも載っていそうな写真がたくさんあったんだよ。
「これらは、王都の市井の風景を撮影した写真ですな」
そう言って、斎木が何点かを指さすと、……。その街中の風景には、どれもごく自然体な被写体の人々が写っていたのだ。
もう、これらが騙しでも虚偽でもなく、……。
どうやら本当の話を、斎木が大真面目に話していることが、漸くワカった。
「こちらは、我々がヤムントガールズ・コレクションと呼んでいる、少女達のミディアムショットの写真ですな」
「えっ!?」
英子が戸惑っているところに、更に斎木は畳みかけるようにして、別の写真のコレクションを出してきた。
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