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魁!断筆姉さん!!  作者: 西洋司


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05 機密解除、……とは!?_04

   *         *


「ウチの会社(本省)では、英子さんの作品が素晴らしいと考え、以前より計画プロジェクトに参加願えないか、話が進んでおりました」


「斎木さん、そうお褒め頂いて、作家クリエーター冥利に尽きます。ですが、私がモチーフにする作品は、その多くが『異世界』をテーマにしております。そこのところは、どうなのでしょうか?」


 英子は、とりあえず話に見落としがないように、細心の注意を払って斎木の話を伺った。


「『異世界』。ふむ、例えばトールキンの描く世界のようなものですかね?」


「えぇ、そうです。私は海外のファンタジー描写に感銘を受け、鼓舞インスパイアされております」


「では、学生時分から英子さんの評価が高かったのは、その表現モチーフのためだと?」


 斎木がくすぐってくる。褒められて、そうそう悪い気はしないけど、……。


「はい。ですが学生の時分、少々軽はずみと申しますか、私はそのアイデアを、研究室の知人複数名に、何ら隠すことなく公開しておりましたので、……」


「えぇ、存じております。それで、進学のチャンスを奪われなさったワケですよね?」


「え、えぇ、……。まぁ、有体ありていに言えば……」


 イケない。つい、うっかり喋ってしまったと、英子は少しだけ心に引っかかった。


「その後、いくつかのアルバイトを掛け持ちして、何とか創作活動に励んでなさった。2年前の『美学院展』でお出しになった作品は、こちらですよね?」


 斎木はそう言って、その作品をA4版にプリントアウトしたものを見せてくれた。


「えぇ、こちらです。画商を通じて、仙台の男性の方に購入頂いたと伺っておりますが、……」


「現在その作品は、東北支部の会議室に、こうして飾らせて頂いておりますよ」


 斎木が、指し示した購入者の名前は、画商から伺った人物と同じ名前。

 むむっ、一体どういうこと? と英子は、更に不思議に思い始めた。


「つまり、英子さんのお描きになる世界は、我々がこうあって欲しいという表現にマッチしているんです。後はタイミングを見て、ウチの会社(本省)にご参加頂けないか、……。そこまで話は進んでおりました」


「……」


「そこで、……今回の件なのですが」


 そう言って、斎木が次に出した書類は、英子の最新作。

 せっかく描いたのに、「エース展」では「選外」、「落選」の憂き目にあった、あの作品だった。


「えっ!? えぇ――っ!?」


 英子は、思わずその書類を手に取ると、……。それから、相手の顔をキッと睨んだ。

「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!

英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨

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