05 機密解除、……とは!?_01
「あぁ、……。知らない天井だ!」
英子は、数年前に流行った国民的アニメのワンシーンを思い出し、小さく冷笑した。
今、英子は千代田区の某所にある、とある大学病院の病室の一室にいた。
幸い、ケガは擦り傷程度だった。
でも、医者の話では、栄養失調と過労で、当面の間は入院が必要とのこと。
まさかなぁ、……。私って、そんなに身体弱ってたんだ、と英子は心細く思った。
「大藪さん、……。このままでは、肺炎や結核にだってなる可能性があったんですよ!」
そう言って、医者が脅かしてくる。
「まさか、……。今どき結核なんて、もう根絶したと思ってました」
「いいえ。今でも入院患者が絶えないんです。甘く考えない方がいい!」
「ワカりました、……」
思わず、シュンとした気持ちにさせられる。
でも、私はまだ生きている。生き残っている。
だって、……。「斎木」さんに、この「命」を助けて貰ったから、……。
まさかなぁ、……。深夜コンビニの常連さんが、まさかの「斎木茂吉」だったんだからね。
ホンと、驚きだよ、と英子はベットの上で、思わずクスリと笑った。
入院してから、10日ほど経過した。もう今では個室ではなく、大部屋で他の患者さん達とベッドを並べている状態だ。
最近では、隣りの患者さん達と軽い世間話もして、退屈しのぎをしたりしているよ。
すると、本日もまた、昼の15時過ぎに、件の斎木が病室を訪ねてきた。
「こんにちは、英子さん。お加減はいかがですか?」
笑顔で大部屋に入室してくると、大部屋の雰囲気があっという間に華やいでいく。
中年のイケてるオジさん俳優のようなルックスに、身なりのいいシュッとした姿。
大部屋の患者さん達は、若い人もいればオバさん、初老の方もいて、……。
斎木さんが頻繁に見舞いにきてくれるものだから、「一体、あの人は何者なの?」と、何度も何度も訊ねられたりしたものだ。
私としても、何だろう、……。そんな風に問い詰められて、悪い気がしなかった、と英子は思った。
「斎木さん、……いつも申しワケありません。この『命』を救って頂いた上に、……」
すると、大部屋の中の雰囲気が、一気に色めいていくのを感じた。2つ隣りのベッドの女の子なんて、「きゃーっ」と、黄色い声を上げているくらいなんだからね。
周りが聞き耳を立てているのがワカったので、正直、斎木さんが見舞いにきてくれるのは嬉しいんだけどさ。
でも、……。ちょっと、恥ずかしいかも、と英子は思った。
「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!
英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!
この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!
英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨




