表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魁!断筆姉さん!!  作者: 西洋司


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/60

04 霞が関のコンビニで、深夜のバイトを始めました_07

   *         *


「あのぉ、……。もしかしたら、大藪英子さんでしょうか?」


「はい。あっ、えぇーと。私です。大藪英子です!」


 英子と後輩の前に、白のブラウスに灰色のスカート姿の女性が、おそるおそる訊ねてきた。

 英子は相手の表情を見て、何だかもの凄くイヤ~な予感がしてきた。


「お手数ですが、事務局の方で、少々お時間を頂いてもよろしいでしょうか?」


 周りの人が、こちらのやり取りを不思議そうに見ている。


「ワカりました。私も伺います」


「では、こちらへ、……」


 とりあえず、今回何故展示されていないのか、説明して頂けるのだろう。そう思って、英子はその女性の後に付いていった。


 事務局に入室すると、初老の男性が面談席で待ち構えていた。


「あぁ、……。大藪英子さん。ご足労申しワケない!」


 そう言って、その男性は傍のソファーから立ち上がって、こちらが席に着くのを促した。

 お互いに相手の目を見ると、その男性はおもむろに話しかけてきた。


「ざっくばらんに申しますとね、……。大藪英子さん、あなたの作品は、当コンテストの規約に違反した表現があったため、選外とさせて頂きました!」


「えっ!? 規約って?」


 英子は、ただ架空の街の風景を描いただけなのに、と思った。


「第〇〇条XX項、社会不安を惹起する表現、主に公序良俗に反する表現を厳に禁ずるものとする、……。あなたの作品は、この規約に違反したのです」


「そんな、バカな、……」


 選外、……。つまり落選だ。


「作品は、現在奥のヤードに保管しています。会期中に展示されることはありません。そのままお持ち帰り頂きたい!」


 さて、……と。参ったなぁ。

 事務局を出て、奥のヤードにいくと、誰もひとっこひとりいない。


 こういう場合、喫煙者ならタバコを一本でも吸って、気持ちを落ち着けるところなのだけどさ、……。


 英子の描いた作品は、新聞紙で丁寧に巻き付けた後に、ビニールの梱包材でしっかりと包装されていた。

 まるで、この作品の表現内容を絶対世に知らしめないよう、きっちりガードしている風にすら見えた。


 とりあえず、搬入をお願いした業者に電話で連絡をしてみたのだが、……。何故か何度コールしても連絡が付かない。


「仕方ない、……か」


 英子は涙が目じりに少し溜まったまま、自力で会場から抱えて運び出した。

 

 すると、上野駅近くで、先ほどの事務局の男性が、タバコを咥えて立っていた。

 英子は、コイツは私の「敵」だと思ったので、無視して横を通り過ぎようとすると、……。


「どことは申し上げられないが、あなたの作品に『待った』が入りました。我々は立場上、本コンテストを中止するワケにはいかない。なので、その要求を飲まざるを得なかった。あなたの創作活動にお役に立てず、誠に申しワケない!」と耳打ちされた。


 そう告げると、男性はタバコを指で弾き飛ばし、そのまま会場の方に戻っていった。

「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!

英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ