04 霞が関のコンビニで、深夜のバイトを始めました_06
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英子が今回参加したコンテスト、「エース展」は、毎年8月第一週から10日ほど開かれる美術団体展だ。
会場は、上野公園内にある東京都美術館。
英子の参加する「洋画」の他に、「日本画」、「彫刻」、「書」、「工芸美術」の5部門が展示される。
公募展のため、エース展会員の作品と共に一般の部も陳列され、約2000点の中から優れた作品には、入選や特選が選ばれているのだが、……。
「さて、……と」
英子は初日に会場入りすると、自身の描いた作品がどこに展示されているのかなぁと思いながら、端から順に探して回った。
でも、英子の描いた100号の作品は、どこにも見つからなかった。
あれ!? 何で私の作品展示されていないの? と、英子は不思議に思った。
もしかすると、作品数が例年よりも多くて展示スペースが確保されていないから、2交代制にでもしているのかも、とも思った。
「あれ、英子先輩!? お久しぶりですぅ!」
大学の研究室の後輩だ。英子も「やっほっ。元気してる?」と気さくに応じる。
「先輩も出展されているんですか?」
「えぇ、まぁ、……」
とりあえず、まだ自身の作品がどこに展示されているのかワカらないが、黙っていようと英子は思った。
「先輩、……。私の作品、どうですかね?」
英子は、その100号の作品を見て、素直に上手く描けていると思った。
「いいと、思うよ」
「ありがとうございます。先輩にそう言って頂けると、嬉しいです」
そう言って、相手はニッコリと笑った。
「英子先輩がまだこうして公募に出されていると、皆が知ったらきっと喜びますよ!」
「会場入りしたのは、さっきでさ。実は、まだ私の作品がどこに展示されているのか、見つけられなくてさ」
「もしかして、出展数が多いから、二交代制にしているのですかね?」
後輩はちょっと気になったのか、参加者の目録をパラパラとめくり始めた。
でも、直ぐには見つけられないのか、どんどんページを捲っている。
「どう? 私の名前もちゃんと載っているよね?」
何だか、段々とイヤな予感がしてきた、……。
「先輩、……。そもそも、目録に先輩の名前載ってませんよ?」
「ええっ!?」
「載ってたら、私って先輩のファンだから、絶対見逃さないし、……」
「……」
一体、どういうことなの? 私の作品は、どこにいったの?
もうどうにも頭の中がパニクッてしまって、……。ふらふらしてきた。
「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!
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