04 霞が関のコンビニで、深夜のバイトを始めました_05
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さて、……。本日も、頑張るぞぃ!
英子はバイト帰りの徹夜明け、……。早朝から、集中力マックスでキャンバスに向っていた。
気が付くと、窓の外では陽が空の天井まで上がってきており、再びキャンバスに彩色し続けていく。
今回英子がモチーフに選んだのは、斎木茂吉のWeb日記のトップページに載っていた、その画像の街だ。
その日記には、王都の風景とだけ記されていたが、……。
それが、海外のCG職人達が人海戦術で作ったのか、それとも、どこかの世界に現実にこんな風景があって、そこには様々な人々が行き交っていて、……。
英子はその街の風景に、ある種のノスタルジーのようなものを感じていた。
気が付くと、次の作品の下書きが出来上がっていた。
それは、その斎木の日記のトップページを更に広げたような、豊饒な世界。
まさしく、異世界の王都の、ち密で濃密な世界を形作っていた。
英子は、下書きに仮色を着けた時点で、気付いていた。
あぁ、……。これなら、今度こそイケるかも、と。
英子は、夕方の次のバイト時間まで必死に描き続け、バイト先でも空いた時間には、作業ノートに気が付いた点などを記し続ける。
下宿先に戻ったら、寝ないで次の作業に取り掛かる。
コンテストの締め切りは、7月末。
何とか締め切り日の朝に、英子にとって、渾身の作品が仕上がった。
さっそく搬入手続きに入り、気が付くと、あっという間に夕方になった。
「やだ。今日、何も食べてないや、……」
急いで遅い食事を終えると、本日も霞が関のコンビニの、深夜バイトに向っていった。
「……、英子さん。コンテストに、作品間に合ったんですね?」
「はい。何とか出来上がりました」
深夜のコンビニのバイトの休憩中、英子は店の裏の荷捌き場で、缶コーヒー片手に、いつもの常連客と話をしていた。
「へぇ~っ、それは楽しみです。『エース展』ですよね? 私も鑑賞にいこうかな?」
「えぇ、ぜひぜひ。私の、……渾身の作です!」
「ほぅ!」
英子はそうは言ったものの、斎木茂吉の日記のトップ画像から、インスピレーションを得たことは伝えていない。
実際、全くそっくりかと言えば、そうでもなく、……。
わざわざ、この常連客にそんなことまで言わなくてもいいやと、その時の英子は思った。
「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!
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