04 霞が関のコンビニで、深夜のバイトを始めました_03
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「ねぇ、アブドゥール君。キミの国にこんな風景、……見覚えある?」
「いいえ。私、知らないです」
翌週から、週2で、……。
英子の霞が関の深夜のコンビニバイトが、ついにスタートした。
話のきっかけになるかと思って、斎木茂吉のWeb日記の画像数点をプリントアウトして、職場まで持ち込んでいたのだが、……。
さっそく、英子はたまたま同じシフトだった外国人のアブドゥール君に、深夜3時に暇を持て余して訊ねたのだ。
「そっかぁ~。キミの国でも、こんな風景見覚えないかぁ、……」
「えぇ。ごめんなさい」
「あぁ、いいの、いいの。仕事中ごめんね!」
連日寝ないで働いていると、こういう暇な時間に強烈な睡魔が襲ってくる。
どうやら、レジの前で気が付かずに舟を漕いでいたらしい。
「大藪さん、ダメですよ!」
その外国人の青年は、怪訝そうな顔でじっと見て言った。
「ごめん。思わず落ちてた。最近寝てなくてさ、……」
「寝ないと、死にますよ!」
「大丈夫、大丈夫!」
英子がそう応じていると、……。
そのタイミングで、黒い背広姿のシュッとしたイケてるオジさんが一人、入店してきたのだ。
アブドゥール君が姿勢を正して「いらっしゃいませ!」というので、英子も同様に挨拶する。
すると、その男性はこちらをちらりと見た後、ニコリとして店の奥に入っていった。
思わず、「目が合っちゃった」と、……。小さく呟く。
「ほら、英子さん。あの人は常連さんですよ」と、アブドゥール君が小声で教えてくれた。
そのイケてるオジさんは、ただ今カップ麺のコーナーで物色中か、……。
英子の眼から見て、その人は雰囲気からして仕事ができるタイプに思われた。
次のシフトで、店長が何か含んだ表情で、「あの人は、霞が関のお役人だよ」と、教えてくれた。
その翌週のことだ。
英子は、段々この仕事や職場にも慣れてきたのかなぁと思いながら、店の窓を拭いていると、……。その件の客が、「なかなか、精が出ますな?」と、話しかけてきたのだ。
「ぷふっ、いまどき『精が出ます』って? 何だか古臭いですね?」
「はははっ。夜中でも一生懸命働かれていて、感心したものですから、……」
「それは、お互い様ですよ」
「そうですな」
英子は、この人物とは何となくだけど、……。気が合いそうだなぁと思った。
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