04 霞が関のコンビニで、深夜のバイトを始めました_01
あぁ~~~っ。お金がいくらあっても足りない、……。
英子は近々開催されるコンテストに応募するため、画材代や高額な参加費、搬送費をねん出しようと思い、食事を減らし始めていた。
ホンと、……。何で絵を描くってだけで、こんなにもお金がかかるんだろう?
ボヤいても、一人。
久しぶりに下宿先の敷布団の上で8時間寝て、頭がしゃっきりしたところで、自身の置かれている現状に、思わずゾッとなった。
そう言えば、数日ぶりかなぁ、……。お布団できちんと寝たのなんて、……。
ここ数日間、英子はろくに寝ないで絵を描き続け、気が付くと朝を迎えるという生活を送っていた。
そうでなければ、ひたすら日中はバイトで生活費を稼ぎ続けていたのだが、……。
バイトを終え、江古田駅近くの個人スーパーで、日持ちする缶詰の価格とにらめっこしていると、傍らの親子連れの会話が耳に入ってきた。
どうやら、おまけのキャラクター玩具付きのチョコセットを買うか買わないかで、その親子はお互いに譲れない様子だ。
子供は小学生の低学年くらいで、……。
ちらりと英子がその母親の方を見ると、……。
やだ。私と同じくらいの年齢じゃん、……と、思わず言葉が漏れそうになった。
何だか、どっと疲れてしまった。
誰もいない下宿先に戻ると、食料を冷蔵庫や食棚に詰め、化粧鏡の前の椅子に腰を下ろした。
夕日が差し込む部屋に、自身の表情はあまり冴えない。
両手の人差し指で口角を持ち上げてみて、無理に笑顔を作ってみると、……。
何だか、年齢以上の疲労が蓄積しているのを感じた。
誰かに助けて貰いたいと思いながら、結局誰にも頼ることができずに、ここまで過ごしてきた。
私は戦士だ。創作活動で闘い、人付き合いで闘い、生活の糧を得るために闘い、……。
いつかチャンスがあると歯を食いしばって、寝る間を惜しんで絵を描き続ける日々。
「もういっそ、斎木茂吉のWeb日記に載っていたコンビニで、バイトしてみよっかな?」
そう呟いたのが、深夜3時30分。
今さらながら、もうそれしか方法がないような気がしてきた。
翌日の午前中、件の霞が関のコンビニに連絡し、正午過ぎには面接となった。
その際、「キミは、普段何をされてるのかな?」と店長から訊ねられて、……。
「私は、絵描きです!」と、正直に名乗った。
すると、店長は「あぁそう言えば、……」といって、顎に手をやって何かを気にする表情を浮かべた。
英子は挨拶を終えてから直ぐに下宿先に戻って、絵筆の手入れをしていたところ、……。夕刻頃に、そのコンビニのアルバイト内定の電話があった。週明けから、きて欲しいとのこと。
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