14 3D魔法革命_14
* *
「それではっ、魔法演習っ、……。用意、始めっ!!」
魔法執行官のリーダー格の青年が、そう叫んで手を上げると、……。
散らばって立つ8名の執行官達が、一斉に詠唱を始めるや、各々魔法陣を展開する。
フォン、フォン、……と光を発しながら、ゆっくりと回転する8つの魔法陣。
その各々の魔法陣がお互いにリンクし合うと、……。巨大なひとつの緻密な文様をした魔法陣形に融合、深化していった。
へぇ――っ。やはり、大人の本職の人達が魔法陣を繰り出すと、2Dの魔法陣でもそれなりに迫力があるのね、……。
でも、それらは子供達が発する進化した3D、立体ポリゴン状と違って、……。
旧来の2D、いわゆる平面状のままなんだけどね。
私(英子)がそんなことを思いながら、じっと様子を観察していると、……。
直ぐ傍で、国王の瀬田さんと魔法執行官の代表を務める中年の男が話していて、そのやり取りがこちらまで聞こえてくる。
私がちらりと見ると、その代表を務める男とバチッと目が合い、軽く睨まれてしまった。
うわっ!? 何だか、もの凄い意識して嫌われている気がする、……。
英子は思わず肩をすくめて、再び目の前の魔法演習の様子に集中した。
「へぇ――っ!? やはり、現役の繰り出す魔法陣は、いつ見ても迫力があるねぇっ!!」
嬉々とした声を上げられる瀬田さんに、執行官の中年の男は不敵そうな声色で応じている。
「まぁ、……。先ほどの子供達の魔法陣の悪ふざけには、正直辟易致しますからな。我々正統派の魔法を、これから篤とご覧に入れますので、……。どうか、今後とも心を惑わされないよう、ご配慮頂ければと存じます!」
「……。そうかい? なら、しばらく拝見させて貰おうかな?」
「えぇ、……。では、ごゆるりと、……」
そんな具合に、権威的な執行官の代表が、子供達の3D魔法を全面的に否定した後、……。
いかにも大仰なポーズで、青年の魔法執行官達は従来の魔法演習を展開し始めた。
8名の執行官は、両手を天に掲げ、直立不動のまま詠唱を続けている。
そして、巨大な魔法陣の集合体系が光量をさらに上げ、真っ白くスパークし始めた頃、……。
「撃てぇぇ―――っ!!」
リーダーのかけ声と共に、もの凄い光量と轟音を発しながら、土塁目がけてそのエネルギー砲は発せられた。
次の瞬間、土塁は爆散され、辺り一帯は土煙がもうもうと立ち込めた。
「!?」
えっ!? えぇ~っ!?
英子は初めて見る魔法砲にびっくりして、思わず周囲をキョロキョロと見たところ、……。
瀬田さんだけ、何故なんだかニヤニヤとしていて、……。
あぁ、悪い顔をしているなぁ。
何か悪いこと、思い付いちゃったのかも、……と、しみじみと思った。
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