14 3D魔法革命_12
* *
「おぉ~~いっ、オマエらぁ~っ!! こっちに集まれぇ~っ!!」
国王の瀬田さんから召集がかかったため、私(英子)と子供達はいったん魔法陣をしまって、大人達の許に向った。
「えぇ~っ、もっと使いたいぃ~っ!」
せっかく編み出した3D魔法陣を引っ込めなくてはならなくて、子供達の中には少し渋る子もいたのだけど、……。
でも、向こうをちらっと見て、……。大人達の剣呑な表情に、いや一人だけ満面の笑顔の瀬田さんを除いてなのだけど、……。
とにかく、早く向こうにいかないと、これはドヤされてしまうなぁと思ったんだ。
「ほらほら、皆ぁ~っ。急ぐよぉ~っ!」
「「「「「「「「「「はぁ~~いっ!!」」」」」」」」」」」
とりあえず、駆け足で参集すると、……。
瀬田さんは「よくきたなぁっ!!」といって大喜びで、斎木さんも穏やかそうに笑みを浮かべている。
でも、この演習を見学にきた大人達の多くは、半ば戸惑った表情だね。
今回の演習の目玉だった魔法執行官達に至っては、美味しいところを子供達に持っていかれた形だと思う。
プライドを傷つけられたエリートよろしく、憤懣やるかたない表情で子供達や私のことをじっと凝視する。
男の執行官達はフィルマのことを睨んでいて、一人だけ私を強く睨む者がいる。
若い女性の執行官だ。
その女性の執行官は、おそらくこの男社会の世界では、まさに女性の成り上がりの象徴のような存在なのだろう。
同性の私が子供達を上手く導いたことが面白くなかったのか、特に目の敵のように睨んでくるんだよね。
まぁ、……。こんな風に女性、更に言えば若い女性達から嫌われることは、これまでにも何度かあってさ。その場合の私の身の処し方も、当然学習済みだ。
ニッコリと笑顔。ホンと、ただそれだけ、……。
そんなに睨んだって、私には何にも響きませんよって、堂々としているだけでいい。
すると、大抵の者は私の自信と美貌に怖れをなして、黙り込んでしまう。
そうなったら、もうこちらの勝ち。
まぁ、……何だか空しい気持ちにもなるんだけどね。
すると、……。
「まぁまぁキミ達。せっかく、大藪英子女史が子供達を指導してくれたんだ。これから先、ちょくちょく一緒に働くのだから、仲良くしようぜ!」
瀬田さんはそう仰って、私と相手の若い女性の執行官の間を取り持って下さった。
そうしたら、……さ。
その執行官は私が名字持ちだと知り、日本の貴族の女性か何かだと勘違いしたのだろう。
急にトーンダウンして、ぐにゃぐにゃな笑顔を私に向けてきた。
なるほどねぇ、……。
おそらく、この世界で女性が成り上がっていくには、絶えず気を張って、時には相手を睨んで委縮させ、一方で自身の能力や成果をアピールしてきたのだろう。
でも、それは同じ平民同士の話で、もし相手が格上の場合、決してやってはならない禁じ手となる。
その一線を踏み越えない辺りに、なかなかのしたたかさや愚かさが感じられた。
英子が笑顔で穏やかに頷くと、相手は赦されたような表情を浮かべ、それから笑顔になった。
でも、……ね。
ホンと、何それっ!? 決して、子供達に見せていい表情じゃないよ!!
そう、英子は苦々しく思った。
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