03 創作活動は、とにかくお金がかかるんだよね_03
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夕刻少し前に、バイトの終業のチャイムが鳴った。
「さて、……と」
英子は西池袋の美術予備校を出ると、そのまま駅の東口方面に向った。
丸ノ内線に乗車して、目指すは霞が関駅だ。
15時の休憩時に、予備校のネット端末で検索をかけてみたところ、……。
件のWeb日記に出ていたコンビニを、偶然特定することができたため、一度様子を見にいくことにしたのだ。
英子にとって、その斎木茂吉なる人物は一体どんな人物なのか?
海の者とも山の者ともワカらないけど、……。とりあえず、親方日の丸の国家公務員であることだけは知っている。
地下鉄の車内で、吊革に掴まりながら、英子なりにプロファイリングを試みてみる。
先ず、斎木茂吉は国家公務員。次に霞が関辺りに真夜中でも出没するほど、ワーカホリックであるということ。
親友の緑子の話では、見た目30代くらいとのことで、かなりのイケメンらしい。
ダークスーツを身にまとい、私たち新人作家を援助してくれるという後援者、……。
そして、とても怖いことに、……。そんな作家たちを、異世界へと誘うのだという。
一体何のために、異世界に連れていくというのだろう?
皆目見当が付かないよね、……マジでさ。
池袋から20分ほど揺られていくと、いつしか霞ヶ関駅に到着していた。
英子は慌てて電車を降りると、そのまま改札を出て、地上へと上がった。
英子は、実を言うと霞が関の辺りにきたのは初めてだった。
その先にある新橋から有楽町、銀座、京橋などは、画廊を巡って回ったりした経験があったんだけどね。
「さて、……と」
そう呟くと、ナップザックから先ほどプリントアウトした周辺地図を見つつ、国会議事堂に向って歩いていった。
大体15分ほどで、件のコンビニが見つかった。斎木のWeb日記のプリントと見比べると、風景が一致したので、おそらくここのコンビニで間違いなさそうだ。
「よしっ!」
英子は心の中で呟くと、さっそく店の中に入っていった。
それからしばらくの間、店内で口臭ケアのガムなどを購入して、ウロチョロとして過ごした。
英子は、もし仮にそのコンビニに勤めた場合、自身がどのように仕事をするのかなぁと想像してみる。
すると、年配の店員、おそらく店長さん? がニコリと笑うため、慌てて笑い返した。
もしかすると、私の他にも斎木のWeb日記を見て、このコンビニに辿り着いた者がいたのかもしれないなぁと、英子は思った。
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