13 天才少女エルフのフィルマ_13
* *
どうやら、私(英子)の隣りの部屋が、フィルマの居室らしい。
「へぇ~っ、結構いい部屋じゃない!」
その部屋は、黄緑色の漆喰を基調にした天井と壁で、床は木目の美しいフローリングタイルが敷かれていた。
部屋は私の居室同様に光魔石の天井照明が目に優しく、部屋全体の空気が澄んでいるような印象を受けた。
「ふむっ、ふむむむっ。でしょぉ?」
ニコッと笑うフィルマに、思わずこちらもニッコリと微笑む。
ベッドやテーブルセット、衣装箪笥は木製で、どれもダークオーク調の塗装が施されていて、……。
書棚には、まだフィルマが幼い年齢のためか、ほとんど本は載っていなかった。
まぁ、……そうだよね。そう思って、よく見ると、……。
日本の首都東京の観光マップと、地方の旅行者向けガイドが2冊横になっていた。
「もしかして、フィルマは日本にいってみたいの?」
私は、それらガイドを手に取りながら訊ねた。
「ふむっ! いってみたい!」
フィルマは、快活に身を乗り出して声を上げた。
「そっ、そうなんだ!」
フィルマは私の手を取ると、2人並んでベッドの上に腰かけた。
そして、フィルマが満面の笑みで、ガイドの東京タワーの写真を指差して「凄い、凄いっ!」を連発する。
「……」
私は、そんなフィルマを張り付いた笑顔で見つめ続けた。
「ふむっ! セタには、いつかこの国が安定したところで、日本に連れてって貰う約束を取り付けている!」
「そっかぁ~っ」
国王の瀬田さんと、そんな約束しているんだ。
でも、フィルマはエルフの女の子だよ。
いくら、こんなにかわいいとはいえ、耳なんかちょっと長いし、……。
そもそも、私達とは種族が違うワケだしね。
普通の日本人が彼女を見たら、皆さん、びっくりしちゃうんだろうなぁ、……と英子は思った。
「エイコッ、日本はいい国か?」
ワクワクした表情で、そう訊ねてくる。
「……」
シンプルだけど、何とも奥の深い質問、……。
こちらも「ホンと、いい国だよっ!」と即断できれば、まぁ、……大したもんなんだけどさ。
「エイコ、……?」
フィルマはあどけない顔で、不思議そうに私の顔色を窺っている。
さて、……。そんな邪心のないフィルマに、私は何と応えていいものか、……。
英子はしばしの間、ホンとに考えあぐねてしまった。
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