13 天才少女エルフのフィルマ_11
* *
斎木さんの案内で、モデルルームのあった廊下を進んでいく。
途中、フィルマが私(英子)の手を取って引いていくこともあり、その度にお互いに笑顔となった。
そして、斎木さんが角部屋のドアの前に立ち止まると、……。
「英子さん、……こちらがあなたの部屋となります!」
「はい、……」
斎木さんが笑顔でドアを開けると、そこは12畳ほどの居室だった。
すると、暗い室内にフィルマがサッと入ると、……。光魔石の天井照明のスイッチを押して、室内はパッと明るくなった。
「点いたよ、エイコッ!」
「ありがとっ、フィルマ! 斎木さん、中に入っても?」
「えぇ、どうぞ。あなたの部屋ですよ!」
英子はひとつ頷くと、室内に足を踏み入れた。
へぇーっ。何かシンプルで、使い易そう、……。
12畳ほどの室内は、とても簡素な造りだった。
白に着色された壁面と天井。床は青色の絨毯が敷き詰められ、どうやら日本風に土足厳禁のようだ。
フィルマも慣れたもので、入口の脇のスリッパラックからスリッパを取り出すと、先に中に入ってベッドにちょこんと腰かけて、こちらにニッコリと笑った。
そのシングルベッドは木製で、黒色に着色されている。その脇には小さな引き出しのあるチェストが設置され、これも黒色。
パッと見渡すと、衣装箪笥に書き物机と椅子も木製で黒に着色されていて、天井まで届く背の高い本棚だけは、後付けだったのかダークオークカラーだった。
姿見も壁に立てかけてあり、他には化粧台と丸椅子はアイボリーカラーだった。
「こちらの化粧台は、日本から取り寄せたものです。後は現地調達ですな!」
「ありがとうございます」
今後ここで生活するからには、水道があったら助かるなぁと思っていたら、……。
「英子さん、こちらの部屋は洗面室ですよ!」
「えっ!? そんな部屋まであるのですか?」
そう言いながら洗面室を見ると、……。以前、トラヴィス伯爵領の領都のホテルで見たものと、大体同じ仕組みだった。
排水管のないバスタブと鏡の設置された洗顔台、それと、何と水洗トイレまであった。
おそらく、天井照明も含めて、全て魔石制御されているのだろうね。
「えっ!? しかもこれって、ウォッシュレット付きなんですか? 凄いですねっ!?」
思わずびっくりして、つい声を立ててしまったら、フィルマが「これなぁに?」といって首を捻っている。
まぁ、後でフィルマには説明しておこうかな。
それにしても、……。何だか私だけ特別扱いされ過ぎているような、……。
「せっかく、若い女性がここまできて下さったのですから。我々迎える側も、できる限りの準備をしておこうと思いまして、……」
「……、ありがとうございます」
ホンと、思わず恐縮しちゃったよ。
こんな原宿辺りのデザイナーズマンションみたいな部屋に、私住んじゃっていいのかなぁ、……。
しかも、ここは異世界のヤムント国なんだけどねぇ、……と英子は思った。
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