13 天才少女エルフのフィルマ_10
* *
こうして、昭和風の文化住宅のモデルルームにて、軽い歓迎会が終わった後、……。
「んっ、じゃっ! オレは役人達と今後について打ち合わせしてくっからさぁ~っ! 斎木ぃ、英子さん達のこと、後よろしく頼むわぁ~っ!」
国王の瀬田さんはそう仰ると、エルフの秘書と共に、また王宮の奥に戻っていった。
「……」
斎木さんは苦虫を噛んだような表情でひとつ頷くと、……。
打って変わって、柔和な笑顔でこちらを振り向いた。
「それでは、英子さんを部屋に案内しますかね?」
「私の部屋、……ですか?」
斎木さんの言葉に、思わず私(英子)は訊ね返していた。
「えぇ、……。今後王宮を拠点にして活動して頂きますので、……。もし、ご希望があるのでしたら、王宮で懇意にしている宿の一室を借り上げることもできますが、……」
「いっ、いえっ、……。そんなつもりではっ! 私のためにわざわざ部屋を用意して貰って、大変申しワケないような、……」
すると、斎木さんは少しだけ表情を改めて、……。
「英子さんは今後、もう少しご自身のお立場をよく考えて行動されるべきだ!」
「えっ!?」
「あなたは、我々が想定する以上の働きをされたのです。まさか、平面状の魔法陣を3D、ポリゴン化して、……。既存魔法を低コストで高効率、大容量化させる目途をお立てになったのですからな!」
「えぇ~っ!?」
すると、先ほどから私の左手を掴んでいたフィルマの右手が、さらにグッと強く握ってきた。
「エイコ、サイキの言ったことはホンとの話。その証拠に、私、……あれほど高度な魔法を使ったのに、少しも魔力量が減ってないもの、……」
「フィルマは、少しも疲れてないの?」
「うぅん。全然疲れてない。ふむっ、全くっ!」
そう言って、ニパァと笑ってくるフィルマ。
うん、……かわいいっ。
「いいですかな、英子さん! あなたは、もうこのヤムント国になくてはならない重要人物なのだと、……。よろしいでしょうか?」
「……」
何だろう!? もの凄い圧迫感っ!?
イケオジに丁寧な言葉遣いで睨まれると、正直、背筋がピリピリする、……。
何だか思わず、「ひぃぃぃ、……」と悲鳴を漏らしたくなっちゃったけど、……。
そんな私の左手をフィルマがしっかりと握っていて、不思議そうにこちらを見上げてくるものだからさ。
私は空いた右手で軍隊風に敬礼のポーズを取ると、……。
「了解です。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致しますっ!」
そう言って、ニカッと笑ったんだ。
そうしたら、斎木さんとフィルマは一瞬驚いた表情をして、それからクスッと笑顔になった。
そりゃぁ、私だけみっともないままではいられないよね。
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