13 天才少女エルフのフィルマ_05
* *
「フフフッ、フムムムッ、フフッフ、フゥ~ン♪……」
そんな感じで、……。
しばらくの間ずっと、フィルマは楽しそうに鼻歌を唄い続けた。
「魔法が得意なんだね、フィルマ?」
私(英子)は、思わず訊ねていた。
だって、目の前にはファンタジー映画さながらに、魔法を繰り出すエルフのフィルマがいて、……。
しかも、その魔法によって、折り鶴がこの日本の文化住宅の中を、まるで生きている小鳥のように飛び回っているのだから、……。
「得意だよっ! どんどん勉強して、もっともっと新しい魔法を覚えたいっ!!」
それは凄い。学習意欲も旺盛で、何より積極的だと思った。
「フィルマッ、……。他には、どんなことができるのっ!?」
私が思わず声を立てると、……。
「何だってできるよっ! 私自身の身体を宙に浮かせたり、全身を光らせることだって、きっとできるよっ!」
「きっと!?」
私は期待を込めて、フィルマをじっと見つめた。
目の前には美しい身なりの、これまた美しい表情をするハイエルフの末裔がいる。
そんな理想の存在のようなフィルマが、「きっとできる!」といっているのだから、……。
私は、それが単なる強がりではないのだと思った。
そうしたら、フィルマの両掌の上で発光していた2Ⅾの魔法陣が、段々とその光を弱らせていって、……。
先ほどまで勢いよく飛んでいた折り鶴が、次第にその動きを弱まらせていった。
「あぁっ、……」
晴れやかだったフィルマの表情が、次第に曇っていく。
私は、ちらりと国王の瀬田さんを見た。
「ありがとうね、英子さん。キミのおかげで、順調にフィルマの能力を引き出せそうだよ!」
そう仰って、嬉しそうに笑った。
「いいえっ。まだまだフィルマには伸びしろがあります。でも、2Dの魔法陣が今にも消え入りそうで、……」
「そっ、そうかい、……!?」
こちらの言葉に、瀬田さんは一体何を言っているのかと不思議そうな表情を浮かべた。
「斎木さんっ! 何か書くものっ、……早くっ!」
「おっ、おぅっ!?」
私が手を伸ばすと、学習机の傍にいた斎木さんが、サッと引き出しから黒マジックペンと自由帳を取って、こちらに渡してきた。
「すみませんっ! 急ぎなのでっ!」
私は真っ白い帳面を捲って、1ページ目にフィルマの魔法陣を見たまんまに描いた。
「フィルマッ! これを見てっ!!」
「えっ!?」
フィルマは、その2Dの魔法陣のレプリカを、魔法を操作したままちらりと見た。
「今のキミの魔法陣よっ!」
「ふむっ!」
「でもねっ、こうなったらどうかなっ!?」
私はフィルマの目が絵に釘付けになっているのを確認すると、……。
その2D平面状の魔法陣に、さらに「depth(奥行き)」を加えてみた。
「エイコ、……。それって!?」
「立体(3Ⅾ)よっ!! キミの魔法陣、平面じゃなくて立体にできないっ!?」
「「「ふむっ!?」」」
その次の瞬間、……。
フィルマは自身の掌の上の魔法陣を、2D平面から3Ⅾ立体状に変換した。
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