13 天才少女エルフのフィルマ_02
* *
私(英子)は、じっと己の掌を見た。
「……」
そうだよなぁ、……。こんな小さい子にお化粧をしてあげるのも、……。
何だか、なんだよなぁ、……。
私は、ちらりとフィルマを見た。
「ん~~っ?」
すると、少女は小首をホンの少しだけ傾げてから、ニコリと笑った。
こちらの世界にきて、私の能力を最大限に活用できたのは、貴族の女性達相手のお化粧術だった。
私はまるで美の宣教師のように彼女達に振舞い、そして感謝された。
まさに女性特化型の実戦証明をすることができて、男性の斎木さんから一目置かれたような気がした。
でもね、……。そんなのは、現代日本に女性として生まれてきたら、大抵の人がそこそこはできるだろう、……と思う。
そして、そんなそこそこの技術が、ここ異世界のヤムント国では、とても貴重で素晴らしい技術として持て囃される、……。
あぁ~っ、そうだ。もしかして、これならイケるかもしれない、……。
「少し、部屋の中見てきてもいいですか?」
こちらが男性2人に訊ねると、斎木さんが「構いませんよ」といって、ニコリと笑った。
「え~っ、何々? 英子さん、何かいいアイデア思い付いちゃったの?」
とても興味深そうに、国王の瀬田さんがこちらを見てきた。
「……」
全く、何なのこの人!?
人を散々こき使って、どんだけ人を働かせたら気が済むっていうの?
「斎木ぃ~っ、何か英子さん思い付いちゃったみたいだぞ! 面白いから、後付いていってみようか?」
「……」
斎木さんは興味を示さないものかと思ったら、……。
無言でスックと立ち上がった。
「……」
はいはい、いいですよぉ。
日本では凡庸な技術でも、こちらの世界では文化の特異点となることだってあるかもしれない。
私は子供の一人部屋に向かうと、学習机の引き出しを開け、文具を探した。
ノートや鉛筆、クレパスや糊、ハサミなどと共に、お目当てのものが見つかった。
それは、折り紙のセットだ。
4寸サイズ、縦12cm×横12cmの、金、銀、赤、青、緑、黄、……。
様々なカラーの紙が、セットになっている。
「これです、これこれ!」
私がその用紙のセットをかざすと、フィルマは不思議そうにじっと見る。
私は、フィルマの髪と同じ銀色の紙を取り出すと、……。
さっそく、その場で鶴を折ってみせた。
「「「……」」」
何だか、フィルマも瀬田さんも斎木さんも、皆黙っちゃってるんだけど、……。
まぁ、いっか。とりあえず、フィルマにプレゼントしよっと!
「はい、どうぞ、……。鶴です!」
「……」
フィルマは、それを大変興味深そうに受け取ると、……。
「凄いっ!? 翼竜だ!!」
そう言って、満面の笑みを浮かべた。
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