13 天才少女エルフのフィルマ_01
「よろしくね、フィルマちゃん!」
そう私(英子)が言うと、フィルマはニパァッと笑顔でこちらを見上げてきた。
「エイコは、これから私の指導教官になるのか?」
「そうみたい。まぁ、……私の母国の日本についての、簡単な技術とか知識しか伝えることはできないんだけどね!」
実際の話、まぁ、……そうなんだよね。
私は伝統工芸の職人でもなければ、白物家電の修理ができる電気屋さんでもない。
この異世界でできることと言えば、アナログの絵を描くこと。彫刻や塑像を作ることくらいかな、……。
「ふむ。エイコは、私の指導教官になるのだから、……。今後、私のことをちゃん付けなどせず、呼び捨てで構わない、……」
「ほぅ、……」
私は、こちらの会話を傍で聞いていた斎木さんに、ちらりと目をやった。
「で、どうなんでしょうか、その辺?」
「フィルマは、……。ヤムント国内や近隣のエルフの世界では、非常に高い位にいます。ですが、我々日本人は、……そもそもその枠外の存在なので、……。フィルマが呼び捨てで構わないというのなら、それでよろしいのでは、……?」
「……」
なるほど、……。キミの好きにしなさいってことか、……と英子は思った。
「なら、私も次からはキミのこと、フィルマって呼び捨てにするよ! 私はフィルマの指導教官っていう扱いなんだけどさ、……。まぁ、友達だと思って貰って構わないから、……」
「友達、……」
そうしたら、フィルマのつぶらな瞳が、一瞬潤んで輝いたような気がした。
「エイコ、……私に、何か日本の技術を教えて下さい!」
「……」
漠然としたお願い、……だなぁと思った。
私が、ちらりと斎木さんと国王の瀬田さんを見ると、……。
お二人は、ビールのコップを軽く掲げて、ニヤリと笑った。
えっ!? 何それっ!?
私とフィルマのやり取りを、酒の肴にして楽しんじゃってるのぉ!?
「ここに、……。悪い大人の見本がいる、……」
「悪くないよ。美女が一生懸命頭と知恵を絞って、何ものかを生み出すのを見るのが、とても素晴らしいなぁって、……。そう思っていただけだよ!」
「なおさら、性質が悪いっ!」
「ふふふっ、頑張れ英子ぉ、フィルマも頑張れっ!」
国王の瀬田さんに発破をかけられたフィルマが、フンスと一瞬気合を入れた。
そして、こちらを上目遣いに見上げてくる少女。
「エイコ、……。ぜひ、日本の素晴らしい技術を見せてくれないか?」
「……」
どんどんハードルが上がってきた。
さて、……。ホンと、どうしよっか?
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