12 国王瀬田良平に謁見する_10
* *
「あぁ、そうそう。その子、フィルマの略歴を伝えておきます」
「はい」
私(英子)は、斎木さんからそのエルフの少女について、軽い紹介を受けた。
先ほどは、エルフの里から寄こしてきたと聞いていたんだけど、……。
実際は、そのほとんどが生活の糧を得るために王都まで出稼ぎにきて、今では街に根付いている、……。いわゆる街エルフと化している者も多いそうだ。
でも、そんなエルフの一族の中で、ハイクラスとされるのがハイエルフと呼ばれる人々で、フィルマはそこの末っ子に当たるそうだ。
斎木さんによると、ハイエルフの一族は代々王宮の上級役人をする家系で、その家始まって以来の天才児がその少女フィルマだという。
「へぇ~っ、キミって頭いいんだぁ?」
英子は、何とはなしにフィルマに訊ねたところ、……。
「ふむ、……。まぁ、さほどでもない、……」
「そっかぁ~っ」
何だろう、この子まだ小っちゃいのに、話し方がとても古風というか、……。
まぁ、エルフの中でハイクラスの家系の子なら、そういうのもありなのかもなぁと英子は思った。
「ねぇ~っ、……。エルフって、弓を使ったり、剣術が得意だったりするの?」
興味津々で、思わず訊ねてみた。
「ふむ。ばっちゃから、ひととおりは教わっている。むしろ、私は魔術の方が、一族からはより多く期待されている、……」
「魔術!?」
確か、……そう言えば魔石とは別に、この世界の生物には魔気と呼ばれる高エネルギーがあるんだっけ。
「そう、……。私はとりわけ、その魔気を魔心臓に多く持っている。だから、里で期待されていた私は、新国王との友好のため、街エルフの拠点に移動した、……」
「へぇ~っ、そうなんだ! 期待の星だね、フィルマちゃん!」
「さほど、……でもない。むしろ、一族からは日本の王に受け容れられて、日本の最先端の技術を学んでこいと命じられている、……」
「……」
何だか、……。江戸末期、幕末の頃に西洋から近代文明を吸収しようと必死だった日本人達と、似ている気がする、……。
「そこで何だけどさ、……。英子さん。キミにはしばらく王都での生活が落ち着くまで、フィルマの日本文化の指導教官をお願いできないかな?」
国王の瀬田さんがフィルマの頭を撫でながら、ニコリと笑って依頼してきた。
「ワカりました。先ずは役所で用意したⅮVⅮを視聴て貰うことから、始めますか?」
「あぁ、それで。頼むね、英子さん!」
「……」
今後、ハイエルフの少女フィルマを、ヤムント国の対日本政策の要として英才教育を施すらしい。
なかなか責任重大な役目を負ってしまったなぁと、英子はフィルマのかわいらしい頭を撫でながら思った。
* *
ヤムント国王瀬田良平と、先ずは非公式で会うことになりました。
早々にハイエルフの少女フィルマの指導教官の役目を任じられ、責任重大ですね。
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