表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魁!断筆姉さん!!  作者: 西洋司


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/121

12 国王瀬田良平に謁見する_09

   *         *


 国王の瀬田さんが、ビールがなみなみと注がれたグラスを持って立ち上がると、……。


「それでは、斎木が無事王都に戻ってきたことと、……。それと、大藪英子さんという、若き才能溢れる有意な若者が、こうしてヤムントにきてくれたことを祝してっ、乾杯っ!」


「「乾杯っ!」」


 かけ声と共に酒を飲み干すと、思わず笑みがこぼれてくる。

 すると、瀬田さんが興味深そうな顔をして、再び私(英子)の空いたグラスにビールを注ぎ始めた。


 こちらも、すかさず瀬田さんのグラスをいっぱいにすると、……。「おっとっと!」と仰って、瀬田さんは人懐っこい笑顔をお見せになられた。


「ホンと歓迎するよ、英子さん! この先、王都では目が回るほど忙しくなると思うけど、……。少なくとも、今日くらいはゆっくり休んでいって欲しいね!」


「はい、お気遣いありがとうございます!」


 こちらの言葉に、瀬田さんはひとつ頷かれなさった。


「話は聞いているよぉ。結構ここまでくるのに、いろいろあったそうじゃないか!」


「えぇ、……。それはもう、……」


 考えてみると、斎木さんと私は、王都に着くまでに死線をいくつも乗り越えてきたんだよね。


 特に、バルディ男爵邸に泊まった時に、ホブゴブリン率いる群れが襲撃してきて、ホンと生きた心地がしなかった。


 それでも無事に、ここ王都まで辿り着けたし、……。こうして国王の瀬田さんと、夕飯を共にできたりもするんだからね。


 私(英子)は、隣に座る少女をちらりと見る。

 すると、先ほどからずっと日本語で話を進めていたものだから、ヤムント人のフィルマは不思議そうに、こちらの様子をただ黙ってじっと見つめていた。


 現地語で「フィルマちゃんも乾杯!」といって、グラスをチンと鳴らして上げると、……。


 フィルマは嬉しそうに「カンパイ、カンパイ」といって、……。

 それからこくこくと、喉を鳴らしてオレンジジュースを飲み始めた。


 ふふっ。何だかこの子、仕草がとってもかわいいなぁと思った。


「私、日本の甘い飲み物大好き! お姉さんは?」


「私も甘いもの大好きよぉ」


 だって、絵を描いていると、無性に脳が甘味を求めてくるんだもん。


「なぁ、フィルマ。こちらの姉さんは、絵がとっても上手なんだぞぉ」


 瀬田さんがそう話しかけてこられると、フィルマはつぶらな瞳を真ん丸にした。


「お姉さんっ、絵を描くの?」


「うん。後で似顔絵描いてあげる!」


 そう言ってニッコリと微笑むと、フィルマは目をパァーッと輝かせた。


 ふと気づくと、瀬田さんと斎木さんの両名だけで、何事か小声で話を始めており、……。

 どうやら、私がそこに入り込む余地はなさそうだったので、……。しばらくの間、フィルマとだけお話を続けていた。


 しばらくして、思い出したように2人の様子をちらりと見たんだ。


 そうしたら、こちらと同年代かそれ未満の見た目の国王の指にさ、……。

 斎木さんと同様に、年齢固定化の指輪が嵌められていたんだよね。


 あぁ、なるほどね。まぁ、口には一切出さないつもりなんだけどさ。

 瀬田中佐というお方は、もしかすると、未だにどこぞの国と係争中のお人なんだろうねぇと英子は思った。

「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!

英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ