ビッグダイヤモンドを狙え!
ビッグダイヤモンドを狙う者達の群像劇
■チンピラ(主人公)
「え?なんです?ビッグダイヤモンド?」
「奪う?」
「いや、ボス。これから予定が・・・」
「いえ・・・なんでもありません」
「ええ。ええ。その場所に行って奪えばいいんですか?」
「銃?銃なんか持ってませんよ」
「ええ。はい。これから取りに行きます」
「ちくしょう。これから彼女と出かける予定だったのに」
「銃を持って行けって?ヤバイ仕事かよ・・・」
「なんなんだよ。ビッグダイヤモンドって・・・」
■マキシマムデンジャラス(脳筋)
「ハハハハハ!ボス、俺に任せてくれ」
「このダイヤは確実に届けるぜ!」
「このダイヤを狙う奴は可哀相に・・・」
「俺が首の骨をへし折ってやるぜ!!!」
■盗み専門の3兄弟(長兄:常識人、次男:お調子者、三男:世間知らず)
「なあ、長兄」
「なんだ?三男」
「へへ、あの件だろ?」
「なんだよ、次男も三男も」
「バカでかいダイヤが運ばれてくるらしいよ」
「ダイヤ?」
「そう。すごい価値のあるダイヤだって」
「ふーん。それで?」
「それでって、長兄!俺らは盗み専門だよ?」
「だから?」
「そのダイヤを奪うのさ!」
「はあー。三男よ・・・」
「なに?」
「それはどこにいつ運ばれてくるんだ?」
「さあ?」
「ふふ。俺は噂を聞いたぜ?」
「ダイヤはこの街の鑑定士のところに来る」
「どこの?」
「さあ?」
「馬鹿なこと言ってないで目の前の仕事に集中しろ」
■元軍人(堅物)
「その話は本当か?」
「そうか。本当なのか・・・」
「戦場で死にぞこなった俺にはうってつけだな」
「そのビッグダイヤモンドとやらは、そんなに価値があるのか?」
「なに?そんなに?」
「泣いてなんかいない。ただ、それだけの価値があれば・・・」
「死んでいった戦友たちの家族に報いれるかもしれんな・・・」
「俺に相応しい戦場だ」
■殺し屋(陰気)
「言っただろ?俺は殺しはやるが、ダイヤのことなんか知らん」
「ターゲットを殺って写真を送り、金を送金してもらう。それだけだ」
「なに?いや、報酬の問題じゃあない。俺のポリシーだ」
「なんだと?あの、マキシマムデンジャラスが?」
「ああ、分かった。奴の死体ごとあんたらに渡せばいいんだな?」
「それでいい。ああ。依頼を受けよう」
「ククク。これで・・・俺が№1だ」
■鑑定士(有能)
「・・・」
■イカレたギャングのボス(イカレポンチ)
「ああ。そうだ。皆殺しだ」
「ダイヤは俺の物だ」
■盗み専門の3兄弟
「ねえねえ。長兄?」
「・・・・・・・・」
「ちょ、長兄・・・」
「僕、殺しちゃった?」
「・・・・・・・・」
「マ、マズいぜ・・・」
「・・・何故撃った?」
「だっ、だって・・・」
「じゅ、銃を取ろうとしてた!」
「・・・どこに銃がある?」
「ほ、ほら、この手に・・・って、あれ?」
「黒い・・・パイプ?」
「一服して余裕を見せつけるつもりだったんだな」
「そ、そんな・・・」
「そもそも何故、銃を持ってる?」
「ご、ごめん長兄。俺が三男に持たせた・・・」
「護身用のつもりで・・・」
「この馬鹿どもが!!!」
「盗みの専門から殺しの専門になるつもりか!」
「ああ・・・どうしよう・・・」
「監視カメラは?」
「あ、ある・・・」
「録画を消さないと終わりだ」
「せっかく有名な鑑定士のところに盗みに入ったのに」
「全部を駄目にしたな。俺達の人生も駄目になるかもな」
「長兄!頼むから落ち着いてくれよ」
「落ち着けるか!早く録画データを確認して破壊しろ」
「た、多分これだ!このデータを削除すれば・・・」
「録画に関係のありそうな物は全て破壊しろ。徹底的に」
■マキシマムデンジャラス
「ドーーーーーン!!!」
「よう。俺が来たぜー!!!」
「張り切りすぎて早く来ちまったぜ!」
「何度もピンポン押したんだから出ろよ!!!」
「ハーハハハハ・・・ハハ?」
「あれ?なんだ?お前ら?」
「ん?おいおい?鑑定士?」
「あれま、どうなってんだ?」
「お前らが撃ったのか?」
「まったく、めんどくせえ」
「ん?あれ?おお!まだ息がある!!!」
■鑑定士
「・・・」
「うーん・・・」
■盗み専門の3兄弟
「ありゃあ・・・なんだ?」
「突然筋肉野郎が現れた・・・」
「それより見てよ!あの人生きてるよ!」
「当たってなかったのか?」
「血が出てないのはおかしいと思ったが・・・」
「どうする?どうすれば良い?」
「逃げろ!!!」
■マキシマムデンジャラス
「なんなんだよ?」
「まあ、いいや」
「おーい、鑑定士ー。生きてるかー?」
「防弾チョッキか。さすがだな!」
「でもな、鍛えてれば防げてたぜ!俺のように!」
「ハーハハハハハ」
■鑑定士
「びょ、病院・・・」
■マキシマムデンジャラス
「と、いう訳なんだ。ボス」
「あ?ああ、その3人組が誰なのかは分からない」
「ダイヤを狙うなら俺が来てからじゃないと意味が無いしな」
「ああ。目的はさっぱりだ」
「俺が来る前に待ち伏せをするつもりだったのかもな」
「さて、どうする?鑑定士はこれから検査だ」
「多分だが骨が折れてるかヒビが入ってる」
「ここらへんで他の鑑定士はいないのか?」
「え?やっぱりこいつじゃないとダメ?」
「他の鑑定士は信用できないか。OK」
「じゃあまた検査の結果が出たら連絡するよ」
「しばらくは俺がダイヤを守る。大丈夫だ俺は鍛えてるからな」
「ハーハハハハハハ!!!」
「あ、すいません。病院では静かにね。OK」
■チンピラ
「なんだよ。これ」
「指定された場所って、ここ・・・だよな」
「入り口がボロボロだ。何か重機でも突っ込んだか?」
「中は・・・荒らされてる感じじゃないな」
「とりあえずボスに連絡するか・・・」
■殺し屋
「よく分からんが、マキシマムデンジャラスはいないようだな」
「どこへ行った?」
■元軍人
「次から次に人が群がるな」
「しかもどいつも表の人間じゃないな」
■イカレたギャングのボス
「どうなってる?俺のダイヤは?」
「俺のダイヤはどこだー!!!」
「探せー!!!」
■盗み専門の3兄弟
「はあはあ、逃げ切ったか?」
「はあはあ、多分」
「なんなんだアイツは」
「あの人が生きていて良かった」
「おい。今のうちに銃を捨てろ」
「え?でも・・・」
「いらねえだろ。俺達には」
「分かったよ」
「さて、少し整理しよう」
「俺達はこれからどうすべきだ?」
■鑑定士
「・・・」
■マキシマムデンジャラス
「え?なんだって?」
「声が小せえよ」
「あん?あんた誰?」
「ああ、医者?こいつを見てくれた?」
「ふむふむ。胸骨にヒビ?」
「ショック状態で声が出にくい?」
「で?いつ退院できる?」
「ひと月?なんとかならないか?」
「ダメ?うーん。まいったな」
「ああ、ボス。ああ。ひと月は駄目だ」
「え?ああ。そうだな。一度そっちへ戻るよ」
「ああ。なんの問題も無い」
「俺がビッグダイヤモンドを持っているなんて知りようがないだろ」
「ハハハハハ!!!」
「ハ?うん?誰だ?俺の背中に何かを突きつけている奴は?」
■殺し屋
「こっちを見ずに外へ出ろ」
「ゆっくりだ。妙な真似をしたら・・・うおっ!」
■マキシマムデンジャラス
「振り向きざまにー裏拳ーからのーラリアットー!!!」
「あれ?当たってない。素早いな。って、あれ?」
「どこ行った。逃げたの?つまんねー」
■殺し屋
「はあはあ。マジかよ」
「あまりに自然に反撃してくるから気配が無い」
「アレに当たったらヤバかった」
「ククク。規格外だな」
「こいつはおもしれー」
「必ず俺が仕留めてやる!」
■元軍人
「あいつは?デカい筋肉ダルマを殺る気なのか?」
「なら、あいつは泳がせておくか」
「それにしても、あの筋肉ダルマは只ものじゃねえ」
「何者だ?」
■イカレたギャングのボス
「アイツだ。アイツを捕まえろ」
「あの筋肉野郎だ」
「脳みそまで筋肉か俺が確かめてやる」
「・・・」
「・・・」
「なにやってる!!!」
「ほら、そこだ!」
「いまだ、やれ!」
「なんで・・・」
「馬鹿か・・・」
「え?」
「全滅?」
「噓でしょ?」
■マキシマムデンジャラス
「今の雑魚どもはなんだったんだ?」
「筋肉が全然足りてねえ」
「なにがしたかったんだ?」
「まあ、いいか」
「ハハハハハ!!!」
■元軍人
「ありゃあなんだ?」
「あいつを・・・仕留められるか?」
「いや、俺がやる。俺ならやれる」
「待ってろよ戦友たち」
■チンピラ
「え?次はそこに行けばいいんですか?」
「分かりました。すぐに向かいます」
「ふざけんなよ。もう朝になっちまったじゃねえか」
「ガキの使いじゃねえんだよ!!!」
「あー、クソ。腹減った」
「指定された場所の近くでメシでも食おう」
「・・・え?」
「アレ、そうだよな?」
「あんなに目立つ筋肉ダルマ。そうはいないよな」
「ボスに連絡するか・・・」
「ええ。ええ。それらしいのを見つけまして。はい」
「ええ。銃はあります」
「ただ、メシを食ってて、周りに人も・・・」
「ええっ!?近づいたら間違いなくやられます!」
「信じられないくらい筋肉ダルマなんです!」
「俺なんかの脅しじゃ・・・」
「そんな無茶な・・・」
「え?マジですか?借金帳消し?」
「分かりました。やってみます」
「ふう。良し」
「奴の向かいに座って銃があるのを言って・・・」
「ダイヤを寄越せ!この筋肉ダルマ!と言う」
「良し。これで完璧だ」
「やれる。やれるぞ」
「借金帳消しになったらこんな生活ともオサラバだ」
■マキシマムデンジャラス
「なんだ?お前?」
「随分ヒョロガリだな」
「え?銃?」
「それで?」
「だから、それがなんだ?」
「お前の持っている銃の威力じゃ無理だ」
「俺は防弾ベストを着ている」
「さらに俺の筋肉は無敵だ」
「ハーハハハ!!!」
「ほら。お前もメシを一緒に食え!」
「そんなヒョロガリじゃ男にはなれねえ」
「店員さん!こいつにジューシーな肉を頼む!」
「男なら肉と筋トレだ」
「俺の身体はナチュラルだ」
「とにかく食って筋トレ!」
「筋肉は全てを解決する」
「ハハハハハ!!!」
■チンピラ
「(ああ・・・全然駄目だ)」
「(目の前に来た時に悟ったけど)」
「(こいつは無理だ)」
「(俺の手には負えない)」
「(あ・・・こいつの頼んだ肉がきた)」
「ゴクリ・・・」
「え?あ、ああ」
「じゃあ、遠慮なく、いただきます」
「上手い!!!」
「え?なんでこんなことしてるかって?」
「いや、実は・・・」
「ヤバイ奴らに金を借りてまして」
「ええ。借金を帳消しにしてくれるって・・・」
「地元のギャングです」
「いやいや、とてもじゃないけど・・・」
「彼女のこともあるし・・・」
「え?あいつらのところに?」
「あいつらは銃を持ってますよ?」
「本気ですか?」
「え?その代わり?」
「あなたの舎弟に?」
「彼女も一緒に?」
「嫌ということは・・・」
「でも・・・」
「あいつらに手を出したら・・・」
「わ、分かりましたから・・・」
■マキシマムデンジャラス
「ドーーーーーーーン!!!」
「よう。俺が来てやったぜー!!!」
「ここのピンポンは壊れてるのか?」
「悪いな、いつもの癖で扉を蹴破っちまった」
「あとで弁償するよ」
「さて、要件は・・・」
「こいつは今日!たった今!!この瞬間から!!!」
「俺の舎弟だ」
「何か文句あるか?」
「ああ・・・そうだ」
「ほらよ!」
「こいつの借金と扉の迷惑料だ!」
「あと、ここに入る時に何人か殴ったから、その治療費も」
「・・・おいおい」
「鳩が豆鉄砲を食ったような顔をするなよ」
「何か言えよ」
「え?ああ。俺がそうだ」
「おれがマキシマムデンジャラスだ!!!」
「ハーハハハ!!!」
「文句ないな?」
「良し!後腐れなし!!」
「良い話し合いだった!!!」
「じゃあな!!!」
「ハーハハハ!!!」
■チンピラ
「話し合いした?」
■元軍人
「なんなんだ、あいつは・・・」
「めちゃくちゃだ・・・」
■殺し屋
「まだだ・・・チャンスを待て」
■盗み専門の3兄弟
「長兄・・・」
「静かにしてろ」
「またあいつかよ・・・」
「あいつがビッグダイヤモンドを持ってるらしいよ」
「あいつから盗めると思うか?」
「無理!!!」
「とりあえず、尾行してみるか・・・」
■イカレたギャングのボス
「あの野郎ー!!!」
「許さねえ!」
「必ずぶっ殺してやる!」
「脳みそまで筋肉かを確かめてやる!」
「おい!もっと人を集めろ!」
「圧倒的な人数で仕留めるんだ!」
■チンピラ
「これからどこへ?」
「え?空港ですか?」
「一旦戻る?」
「ボス?」
「ええっ!?あの世界的に有名な裏社会の?」
「え?心配するな?」
「あなたの舎弟には手を出さない?」
「良かったー」
「あのー、彼女は?」
「ああ、ええ。分かりました」
「もう少し落ち着いてからですね?」
「彼女に電話していいですか?」
「ありがとうございます」
■元軍人
「今だ!!!」
■マキシマムデンジャラス
「うおっ!?」
「なんだこりゃ?煙幕か?」
「お前、誰だ?」
「俺の頭に銃を突きつけるとは、やるな・・・」
「気配を消すのが上手いな」
「全く気が付かなかったぜ」
「とはいえ・・・」
「お前が引き金を引けるかは別問題だがな」
「それで?何が目的だ?」
「ダイヤか・・・」
「どいつもこいつも・・・」
「俺が目的じゃないんだな・・・」
「つまらんなー」
「おい。お前。俺を動けなくしたのは良いが」
「俺の舎弟の存在を忘れてないか?」
「さあ、行け!舎弟ー!!!」
■チンピラ
「?」
■元軍人
「むっ?」
■マキシマムデンジャラス
「隙ありー!!!」
「うおりゃー!!!」
「おっ?意外に素早いな?」
■元軍人
「ちっ」
■マキシマムデンジャラス
「また逃げんのかよー」
「つまらねー」
「おお。どうだ?彼女に連絡できたか?」
「出なかったのか?ああ。仕事中なのか」
「彼女を愛してるなら大事にしろよ」
■元軍人
「なんてえスピードだ・・・」
「一撃でも食らったら・・・」
「またチャンスを待つか・・・」
■殺し屋
「なんだ?俺以外にもあいつを狙ってやがるのか?」
「邪魔だな」
「俺は一対一でやり合いたいんだが・・・」
「必ず機会はある」
「楽しみだぜ・・・」
■盗み専門の3兄弟
「ねえ、長兄・・・」
「ああ・・・」
「俺達の出る幕は無さそうだな・・・」
「まだだ。奴の一瞬の隙を突くんだ」
「あいつはどこにダイヤを隠していやがる」
「ダイヤの場所さえわかれば・・・」
「三男。お前ならスレるか?」
「場所次第だね・・・」
「捕まったら終わりだもんな」
「良し。引き続き尾行だ」
■チンピラ
「空港まではタクシーで?」
「それとも車が?」
「無い。分かりました」
「じゃあタクシーをひろいましょう」
「おっ!?」
「何か猛スピードで向かって来る車が・・・」
「何台も!?」
「うおっ!?」
■イカレたギャングのボス
「いたぞー!!!」
「奴だー!」
「殺せ。いや、待て、殺すのは俺がやる!」
「奴の脳みそが筋肉か確かめてやる」
「奴に自分の脳みそを見せてやるぜー!」
■マキシマムデンジャラス
「またお前らか・・・」
「おっ?結構良い体をしている奴がいるな!」
「ハーハハハ!!!」
「ようやく楽しめそうだ!!!」
「ヒャッホー!!!」
■イカレたギャングのボス
「さすがの奴もこれだけの人数には・・・」
「あれ?あいつ元プロレスラーだよな?」
「あれ?あいつ元ヘビー級ボクサーだよな?」
「あれ?あいつ元横綱だよな?」
「あれ?あいつ誰だっけ?」
「なんでどいつもこいつも宙を飛んでるんだ!!!」
「え?」
「全滅?」
「噓でしょ?」
■チンピラ
「嘘でしょ?」
「人間って飛べるの?」
■マキシマムデンジャラス
「・・・・・・・」
「はあ~。お前らさー」
「なんだ?この肉は!!!」
「つまめるじゃねーか!」
「ふざけやがって。数だけかよ・・・」
「もっと鍛えろよ・・・」
「これなら俺のママの方が強いぜ」
「おーい、舎弟。こいつらの車に乗れ」
■チンピラ
「え?いいんですか?」
「わ、分かりました」
「良い車だなー」
「えっ?この車じゃなくて?」
「一番高級そうなやつ?」
「分かりました」
「じゃあ、アレかな?」
■イカレたギャングのボス
「なんなんだよ・・・」
「えっ?あいつらは俺の手下の中で最強・・・」
「これは・・・夢か・・・」
「ん?なんだ?あいつは?」
「おいおい。なんでこっちに来る?」
「なんでドアを開ける!?」
■チンピラ
「うおっ!?」
■イカレたギャングのボス
「うおっ!?」
■マキシマムデンジャラス
「あん?誰だ?お前?」
■イカレたギャングのボス
「あ、あの・・・えっと・・・」
■マキシマムデンジャラス
「奴らの運転手か?」
「ハハハハハ!!!」
「見てたか?俺の強さを!!!」
「あいつらは見かけは良いが、見かけだけだ」
「肉がつまめたんだよ」
「あれじゃあ駄目だ」
「もっと俺のように鍛えないとな」
「ハーハハハ!!!」
「ちょうど良い。お前、このまま運転しろ」
「変なことはするなよ」
「あんたの首なら一秒もかからずにポキッ♡だ」
■イカレたギャングのボス
「は・・・はい・・・」
「(ぶっ殺してやる)」
「(てめえの脳みそだけじゃねえ!!!)」
「(心臓も!!!腸も!!!)」
「(てめえに見せつけながら殺してやる!!!)」
■チンピラ
「(なんかこの人見たことあるような・・・)」
■マキシマムデンジャラス
「ハハハハハ!!!」
「よーし。まずは空港・・・いや・・・」
「少し運動して腹が減った!」
「肉だ!肉のあるうまい店に連れて行け!」
「出発!進行!!」
■イカレたギャングのボス
「はい・・・」
「(ぶっ殺す)」
「(必ずぶっ殺す)」
「(てめえの肉をてめえ自身に食わせてやる)」
■チンピラ
「(なんかこの人から凄い殺気を感じる・・・)」
■殺し屋
「素晴らしい。なんだよあの強さ」
「俺の全力で仕留める」
■元軍人
「あれは・・・」
「人間じゃねえ・・・」
「正攻法ではとても・・・」
「仕方がない。アレを使うか・・・」
■盗み専門の3兄弟
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「あれは人間か?」
「化け物だ・・・」
「もう帰る?」
「いや、俺達は戦う訳じゃない・・・」
「まだチャンスはある・・・はず」
「どこへ向かうんだろう?」
■マキシマムデンジャラス
「ハハハハハ!!!」
「おい、運転手!お前良い店を知ってるな!」
「こんなにうまい店は久しぶりだ!」
「隠れた名店だな」
「気に入った!ここを俺のお気に入りに追加だ!」
「ほら。舎弟。運転手。お前らも食え!」
「遠慮するな!俺のおごりだ!」
「食い終わったら一緒に筋トレするか?」
「ハーハハハ!!!」
■イカレたギャングのボス
「(ぶっ殺す)」
「(てめえの最期の晩餐だ)」
「(よーく味わうんだな)」
■チンピラ
「うまい!!!」
「(この運転手、めちゃくちゃキレてるな・・・)」
■マキシマムデンジャラス
「うまいな。おかわり・・・うおっ!?」
■チンピラ
「うおっ!?」
■イカレたギャングのボス
「きゃあ!?」
■元軍人
「閃光弾だ!」
「そして・・・」
「良し。注射を打てた!」
「悪いが、まともにはやり合わん」
「これで貴様は動けまい!」
「筋弛緩剤だ!」
■マキシマムデンジャラス
「ふん!!!」
■元軍人
「なに!?」
「注射を打った瞬間に・・・」
「打たれた部分を・・・」
「ちぎった?・・・」
■マキシマムデンジャラス
「お~痛え~。今日イチのダメージ!」
「しっかし眩しかったな」
「なんか女の悲鳴が聞こえた気がしたが・・・」
「気のせいか?」
「おっ!またお前か!今度こそやるか?」
「どうした?銃を構えないのか?」
「俺に何を打った?」
「すぐ対応したが、これから効果が出てくるかもよ?」
「ほれほれ!チャンスだぞ!遊ぼうぜ!」
■元軍人
「いや、もういい・・・」
「殺せ。これ以上は意味が無い」
「俺は死に場所を求めていた」
「お前ほどの男に殺されるのなら・・・」
「戦友たちも納得してくれるだろう・・・」
■マキシマムデンジャラス
「・・・」
「え?終わり?」
「お前・・・いや、あんた誰?」
「なんでダイヤを狙ってるんだ?」
「とりあえず、ほら、座れよ」
「あっ、そうだ。おかわり!!!」
■殺し屋
「クソっ。チャンスかと思ったら・・・」
「とんでもねえ光が・・・」
「閃光弾か・・・」
「まさか・・・奴は・・・」
「ああ、無事か・・・」
「さすがにな・・・」
「閃光弾に目が眩んでいる時がチャンスだったな」
「まあ、俺も目が眩んでいたから無理だが・・・」
「それに、そんな卑怯な手は使わん」
「奴とは一対一でやらなければ意味が無い」
「それにしても・・・」
「奴の周りに人がどんどん増えていきやがる」
「チャンス・・・あるか?」
■盗み専門の3兄弟
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「何が起こったか全然分からねえ」
「すごい光だったね・・・」
「奴は・・・死んだか?」
「・・・元気そうだな」
「見て、また食べ始めた!」
「なんだか人が増えてないか?」
「まだ・・・尾行する?」
「・・・ああ」
「今のがヒントになった」
「長兄?」
「なにがヒントなんだ?」
「目だ!奴の目を眩ませれば・・・」
「なるほど!」
「三男なら・・・」
「奴の目が眩んでいるうちに・・・」
「奴の身体を素早く調べてダイヤを盗めるかも」
「い、いけるよ!」
「よし、やってやろう!」
「俺達二人は三男のフォローだ」
■マキシマムデンジャラス
「ハーハハハ!!!」
「あんた元軍人なのか!」
「どうりで戦場でよく見る道具ばかりだと思った」
「それに・・・ダイヤを狙う理由も気に入った!」
「なあ、あんたが良ければ・・・」
「元軍人専門の組織を紹介するよ」
「裏社会に入ることになるが・・・」
「利益のほとんどを元軍人やその家族に渡している」
「もちろん秘密裏にな・・・」
「あんたは俺にかなり善戦した」
「あんたが現役の時にやり合いたかったぜ・・・」
「おっ。受けるかい?この話」
「そうかい。良かったと言っておくよ」
「あんたはまだ死ぬには早いからな」
「あんたの戦友たちも・・・」
「あんたにはまだ死んでほしくないと思うぜ」
■チンピラ
「(不死身かな?この人)」
「(さっき女の人の悲鳴が聞こえたような?)」
■イカレたギャングのボス
「(ぶっ殺す)」
■マキシマムデンジャラス
「ふう。食った、食った」
「良し。それじゃあ空港へ行くぞ」
「しゅっぱーつ!!!」
■イカレたギャングのボス
「着きました・・・」
■マキシマムデンジャラス
「ハーハハハ!!!」
「ご苦労!運転手君!」
「これは礼だ!とっておきたまえ!」
「釣りはいらんぞ!」
「ハーハハハ!!!」
「舎弟。チケットを頼む!」
■イカレたギャングのボス
「このや・・・ありがとうございます・・・」
「(ぶっ殺して・・・)」
「ん?」
「きゃあ!?」
■マキシマムデンジャラス
「うおっ!?」
「なんだこりゃ!」
「目が・・・染みる・・・」
■盗み専門の3兄弟
「くらえ!玉ねぎ爆弾だ!」
「ゴーグルしておいて良かった」
「今だ!」
「OK!」
「ん?あれ?どこだ?ここか?え?」
「無い・・・」
「無い!!!」
■マキシマムデンジャラス
「目が・・・」
「くすぐるなよ・・・」
「ああ・・・クソ」
「涙が・・・」
■サングラスを着けたチンピラ
「おらあ!!!」
■盗み専門の3兄弟
「うわあ」
「なんだ?こいつ・・・」
「取られた!ゴーグルを取られた!」
「こ、この野郎・・・あ、俺も取られた!」
「目がー。目が・・・」
「な、涙が止まらねえ」
■ゴーグルを着けたチンピラ
「兄貴!これを着けて!」
■マキシマムデンジャラス
「お、おう・・・」
「舎弟・・・」
「ありがとよ・・・」
「おお・・・目が・・・」
「少しは楽になったぜ!!!」
「この野郎ども!!!」
「って、あれ?」
「なんで白旗を振る?」
「え?殺さないでくれ?」
「お前ら・・・銃とかは?」
「捨てた?」
「なにか武器は?」
「この玉ねぎ爆弾だけ?」
「・・・」
「殺さねえから・・・落ち着け・・・」
「なに?俺のダイヤを狙った?」
「なるほど?」
「でも、無かったと?」
「ふふ、そりゃそうだ!」
「なぜなら!って・・・」
「とりあえず、ここから離れよう・・・」
「顔を洗いたい・・・」
「舎弟。お前は大丈夫か?」
「お前のおかげで助かったぜ」
「悪いが、俺が顔を洗っている間」
「こいつらを見ててくれ」
「もう逃げ出す気はないだろうがな」
「逃げても別に良いし」
「ふうー。大分楽になったな」
「で。やるかい?そこのあんた」
「待たせちまったな?」
■殺し屋
「構わないさ。それとも改めようか?」
「あんたは今日かなり暴れたし、目のダメージもあるだろう?」
■マキシマムデンジャラス
「そう言いながら、やりたくてウズウズしてるようだが?」
「俺のことは気にするな」
「俺はいつでも・・・」
「ベストコンディションだ!!!」
「ハーハハハ!!!」
■チンピラ
「どうしよう・・・全員どっか行っちまった・・・」
「まあいいか・・・みんなダイヤ狙いだったみたいだし」
「さすがにあの人から奪えるとは思わないよね」
「それにしても、遅いな」
「あれ?なんかトイレの方に人だかりが・・・」
「行って見よう」
■殺し屋
「ふふ。さすがだ・・・」
「さあ、トドメを・・・」
「え?俺を?舎弟に?」
「自分の命を狙った奴だぞ?」
「はは。分かった」
「あんたに従うよ」
「俺の命はあんたのもんだ」
「好きに使ってくれ」
■マキシマムデンジャラス
「ハーハハハ!!!」
「おっ?さすがにトイレで暴れ過ぎたか」
「ほれ。手を貸せ」
「これから楽しいフライトタイムだ」
「みなさん!お騒がせしました!」
「用を足していた方、すいません」
「俺達の愛情表現は激しくてね」
「お邪魔しました!!!」
「おっ。悪い悪い。ほれ、お前の後輩だ」
「悪いがもう一枚チケットを追加だ」
■チンピラ
「誰?」
「あ、すいません。全員逃げました」
■マキシマムデンジャラス
「かまわん!いつでも挑んできてくれた方が楽しい」
「あれ?あの軍人もいなくなったのか?」
「まあいい」
「ん?電話だ。誰だ?」
「ああ、軍人さんか・・・」
「ああ。ああ。そうかい・・・」
「やはり裏の組織に入るのは戦友に顔向けできないか」
「いつでも挑んできな!待ってるぜ!」
「え?なに?最後に見逃してくれた礼をする?」
「なんだろ?」
■イカレたギャングのボス
「まだか!?」
「まだ来ないのか?」
「早く来い!」
「よし。ここだ!」
「早く銃をよこせ!」
「ぶっ殺してやる!」
「俺をコケにしやがって!」
「絶対に許さん」
「最後に勝つのは俺だ!!!」
「生まれてきたことを後悔させてやる」
「てめえに関わりのある全てを血祭りにあげてやる」
「今日という日をてめえの命日に・・・」
「きゃあ!!!」
「じゅ、銃が・・・」
「なんだ?狙撃手?」
「お前ら!俺を守れ!」
「俺の肉壁になるんだ!」
「早くしろ!!!」
「え?おい!なんだ?お前ら?」
「女の悲鳴?」
「何の話をしているんだ!」
「早く俺を守れ!」
「このグズども・・・」
「お、おい?」
「ボスの・・・ボスの命令だぞ!」
「おい・・・おいってば・・・」
「ああ・・・待って・・・」
■マキシマムデンジャラス
「?」
「なにかしてくれたのか?」
「?」
「ああ。分かった。気にしないことにする」
「じゃあな!」
■チンピラ
「聞いて良いですか?」
「結局、どこにダイヤを隠していたんですか?」
■マキシマムデンジャラス
「ん?」
「ああ・・・」
「実はな・・・」
「・・・」
■チンピラ
「どうしました?」
■マキシマムデンジャラス
「舎弟。舎弟2と一緒に離れていろ」
「舎弟2!舎弟を守れ!」
「どこのどいつかは知らんが・・・」
「フライトまでのパーティーが始まりそうだ!!!」
「楽しませてくれよ!!!」
「ハーハハハ!!!」
「あ、携帯壊れた・・・」
■鑑定士
「え?もう完治?」
「胸骨にヒビは間違い?」
「声が出なかったのはたまたま?」
「え?じゃあ、もう退院してOK?」
「電話に出るかなー?」
「頼む。出てくれ。ダイヤの鑑定ができるぞー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・出ない」
-END-
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