修羅を生きている女のあちき
快楽だけを求める殿方と
偽りの恋を求める殿方
女のあちきには
違いがわかるのでありんす
《 おゆかり様の遊び方 》
西洋の煙草をくゆらす おゆかり様は
散々 女を抱いてきて
女に飽きた様な顔をしてやすが
何故か あちきに逢いに来てくれんす
金子を高う積み上げて
でも あちきの帯を
ほどこうともしねえのでありんす
床入りもしねえで
可笑しな話ばかりして
あちきを
笑わせてばかりなのでありんす
それなのに
唯ひたすら 淫らでいろと
云うのでありんす
そんな遊びを楽しんでいましんす
でありんすが 心の中では
あちきを
可愛がって下さってるのでありんしょう
優しい声をしてやすから
《 快楽買い 偽恋買い 》
色街に遊びに来る殿方は
体が 寂しゅうて
快楽だけを求める殿方と
心が 寂しゅうて
偽りの恋を求める殿方が
居るのでありんす
修羅を生きている女のあちき等も
人の子でありんす
快楽買いの金子と
偽恋買いの金子の匂いが
微かに 違うのは解りんす