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紫乃の あちきは蜜ある花 二作
蝶と花 男と女
蜜を求めて蝶が舞う
《 蝶と花 》
絢爛な簪 飾り
帯は 前結い
艶やかな 紅さして
此処は 一昼一夜の戯れ所
手練手管で
虜にさせんした おゆかり様
積んだ金子の上で
あちき 花
主さん 蝶
花びら 広げ
たっぷり 蜜 吸って
夢見心地 思うまま
遊んで欲しいのでありんす
《 戦遊び 》
世馴れた殿方が 真顔で嘘をつき、
それに騙された振りをして、
無邪気に微笑み、
悦んで見せる。
殿方が満足気に 笑みを浮かべたら、
私の勝ち。
男と女の戯言は、
騙し 騙され 密かな戦。
勝っても 負けても、
虚ろな笑顔で終わる。
…と云う遊び。