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第八話 クズ転移者襲来の日々

 ☆日本国・陸上自衛隊某駐屯地会議室


「自爆ドローンが、露軍の兵士を襲い。それを撮影しているのもドローンか?」

「はい、連隊長そうです」


 ・・・一個大隊で、自己完結能力を持つと恐れられた赤軍は、見る影もない。

 練度が足りていないのと、やはり、ドローンか?



「これは、最強の戦車と云われるエイブラスムが、露軍のドローンで撃破されたのか?」

「はい」




「次は、中東です」



 ・・・・


「これは、防御力に定評のあるメルカバがドローンで?」

「はい、理由は定かではありませんが、防御システムが作動しなかったようで・・」

「何でもドローンだな」


「これは、極秘資料ではなく、SNSで流れている情報です」


「フム、なら、連隊もドローンを運用しよう」

「しかし、普通科に官品がくるのはまだ先だと」


「いいや、そうは言っていられない。更生科で、ドローンの資格を取る優遇措置、やっているよな。希望者を募れ。訓練は、更生活動扱いで時間を作れ。まずは偵察だ。それで、情報小隊の隊員の危険が少なくなるのなら、数十万円は安いものだ」


「はい、しかし、ドローンを隊員の個人負担にするのは如何かと」


「な~に、大丈夫だ。息子と娘は大学を卒業した。私が出す」


「あの、お金なら、預かっています」

「我孫子2曹、どういうことだ」


 チャリン♩


「こ、これは、我孫子二曹、金貨!?その金貨はどうした」


「え、私も知りません。知らないうちに、ポケットに入ってました。何故、出したのだろう」



『これで、できるだけ装備をそろえて下さい』


 ・・・そう言えば、夢で、少女と会ったような。




『マスター、あれは、日本人です。自衛隊は国民の生命と財産を守るのが任務です。任務対象外です』

『そう、そうね』


 悪夢だった。日本人が少女を襲っていた。何も出来ない。

 寂しそうな顔だったな。





 ☆☆☆異世界



 ダン!ダン!ダン!ダン!カラン、カラン・・・・



「はあ、はあ、はあ、ベッキー、弾倉を」

「はい」


 ・・・クズ転移者が多くなっている。

 異世界にいたとき特有のジョブが身についているのか。

 おぞましい。


「おじょ~~さん。最初、1時間5000円ポッキリ、それから、僕を指名してよ~~~」


 ボア~~~


 これは、魅了、ベッキーが危ない。


「フニャー・・」


 ダン!


「僕の名刺・・・・グハ!」


「おい、ホスト!ざまあ、ねえな。俺の故郷ふるさとでは、道で転がっている手榴弾だ!食らえ!」



 ドン!


「あれ、乾いた音がしたぞ」


 バン!カラン・・・


「ギャアアーーー」


 フウ、とっさに、鉄帽を被せて助かった。



「後は、騎士団だ。日本人ではないから、大丈夫だ」


「凡人召喚!一個小銃班召喚・・・」


 ボア~~~

「めいれいかた~~つ。我、一個小銃班!敵、敵騎士団を殲滅せよ」


「敵騎士団殲滅!了解・・・マスターに意見具申、敵は逃げていきました・・」


「そう、任務完遂、ありがとう・・・」


「どういてしまして・・・しかし、マスター、お疲れでは・・その・・」


 ボア~~~



 ・・・アキよ。疲れておるな。妾に出来ることは、文字通り、空から見守ることじゃ。人族が、魔族の村を襲わない限り手出しは出来ない。口惜しいぞ。奴ら、分かっておる。女神圏の国が一国でも魔族に襲われたら、全軍がくるでな。


「はあ、はあ、はあ、アハハハハハ~~~、父様と母様の国の人がこんな奴らな訳がない!」


 ダダダダダダ・・・・


「アキよ!死体にこれ以上はやめよ!ええい。業火に焼かれよ!」



 ボオオオオオオーーーーーー!



「さあ、ネフレ湖に帰るぞ。そこの小娘も、我につかまれ」

「はい」




 ・・・・地球でも少年兵は、奇抜な格好をして、現実逃避をする傾向にあると報告もある。

 アキは、12歳、まだ、まだ、未成熟な年齢であった。





 やがて、危険な行動を取るようになった。


「アハハハハ、何だ。その銃は、僕の銃は最新式だぞ!」


 ダダダダダダダダダーーーー


「あれ、当たらないよ」


「弾がなくなった。マガジン交換!」


「あれ、いない!」



 ドスン!


「ヒィ、空を飛んでいたのか?!」


「身体強化魔法で、ジャンプをした。肩付け、狙い。呼吸、全て悪い。お前は、日本国で何をしていた?」


「電動ガンで・・・高校生」


「そう、行け。ロドリゲス王国に帰らずに、冒険者になれ」


「わ、分かった」

(背を向けた瞬間に、手足を撃つぞ!)


 クル


 カチャ


(今だ!)


「って、あれ?・・・後ろにいる。目が暗くなった・・・ドスン」


 ポロン~



「銃剣も斬れるものだ。音で分かる。だから、ジャンプをして、背後に立った。始めに、身体強化魔法を教えたのに、かなわないと教えたのに、グスン、グスン、緑の魔人と、同じ世界から来たとは、思えない・・・父様、母様、グスン、グスン」






 ☆ネフレ湖



「ハンスとやらは、王都の地図を作っているそうじゃ」


「早めに、仇討ちをするしかないだろう。人族のメスよ。どう思う・・」


「ロザリザという名ですわ!いい加減に覚えて下さいまし。傭兵団でも、少年兵はいますが、生まれたときから、戦場ですわ。参考になりません。

 アキ様の心の状態が心配ですわ」



「魔王様、大丈夫・・、アキ様を見て下さい」

「「「ベッキー」」」



 ・・・・・


「ギャウン、ギャウン」


「あら、子狐、お前も、住処をはみ出したのね。ほら、このお魚あげるから、フフフ、冒険者さんたちに頼んで、面倒をみてもらうわ。私の手は汚れているから、一緒に暮らすことはできないのよ」



「ああして、いけすから、飛び出したお魚を、小さい動物にあげているのです。動物に優しいです。私も、過酷だからと、戦闘補助から遠ざけられました。

 アキ様は、アキ様は・・・グスン」


 ・・・そうか。人族が闇落ちする前は、小動物を、いたぶると聞く。

 アキは強い。勇者の血が流れているのう。


「ロザリザはどう思う?」


「ええ、勇者召喚は、ぶっちゃけて言うと、誘拐ですわ。その業、背負いますわ。いえ、背負わなければいけないと思いますわ」


「なら、協定じゃ!」

「ええ」


 この日、人魔協定が結ばれる。人族は、一国を失う覚悟だ。




 一方、ネフレ夫人だけは、普通に接していた。


 バシャ!バシャ!


「アキよ。背中に乗れ。ネフレ湖一周じゃ!」


「・・・フフフ、有難う。乗るわ」


 それが、どれだけ有難いか。後に分かることになる。





最後までお読み頂き有難うございました。

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