不思議の国の記憶。
「しかも…。3人に見られるとはね…。」
バケットハットの男の人はアリスの方へ瞳を向けました
「3人?あの…。私以外、いませんけど…。」
周りを見渡し、アリスはそう云います。
それはそうなのでしょう。アリスの傍らには真っ白な兎、ピンクと紫色の縞模様の猫しかいないのです。
しかも、その兎と猫は、何やら言いたそうに、頻りに口を動かしていました。
アリスは不思議そうな表情で…。
バケットハットの男の人に尋ねます。
「貴方には何が見えているのですか?私以外に人はいませんよ。あぁ。ここは不思議な遊園地ですから…。幽霊でも見えているのでしょうか?」
アリスの言葉を訊くと三日月ネックレスの女の人は…。
アリスに言葉を投げつけました。
「貴女は何を言ってるの?大丈夫?」
三日月ネックレスの女の人の言葉に続けて…。
バケットハットの男の人はアリスの言葉を奏でます…。
「君の言葉には整合性がないな…。少し待って…。」
パチン。
バケットハットの男の人は指を鳴らしたのでした。
その音を聴いたアリスは…。
またクラクラと目眩を感じてその場に座り込みます。
アリスの頭痛が激しくなっていきます…。
脳は機能を失い、アリスは夢の中に堕ちたのでした。