表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら王子と姫になったので国の為に頑張る!  作者: レオン
第三章 王国の強化
96/116

95話 テラスでの神風

怒るシェリルの宥めながら着替えを済ませ、マラカスの待つテラスへと向かう。


(てかこんな夜更けに、しかもテラスに呼ぶなんて何考えてんだよ…)


肌寒いというほどの気温ではないけど、そこそこ風も吹いている夜にテラスとか…。でもこっちに思惑に気付いているのだとしたらそれも分からなくはないか。一見潜む場所には困るように思えるが、室内より広く包囲を作れる。夜であるなら尚更だ。テラスが見える位置で庭辺りに隠れられたらこちらから見つけるのは非常に難しい。室内なら隣の部屋などに潜まれても人の気配が分かる事だってあるからな。


(どうしよう…もし暗闇から弓で狙撃なんてされたら、さすがに躱せる自信はほとんど無いぞ…。明るい所でなら出来るけど!)


転生して得た自分の身体能力にちょっとドヤってみた。矢を躱すとか男の浪漫じゃん?紙一重で半身ずらしてクールにいなす!ゴブリンとか弓を使ってくるから、よくやってた。兵士達には怒られたけど…。


あの時の兵士達の怒りようにちょっと身を震わせていると、テラスが見えてきた。俺の姿が視界に入ったマラカスは立ち上がり両手を上げながら歓迎の意を示してくる。


「マラカス将軍、お待たせしてごめんなさい。突然のお誘いに準備に時間が掛かってしまいました。このテラスには初めて足を踏み入れましたが、実に立派な庭がよく拝見出来て素晴らしい場所ですね」


近付いてきたマラカスに挨拶をする。すると自慢げな表情を浮かべてご機嫌になったマラカスが応える。


「はははっ!そうでしょう、そうでしょう!一番の自慢なのですよここがっ!!セシリア様にグレンダンに来られてから様々な場所をご覧になられる時間が経ったので、グレンダンで一番美しいのがここなのだとお分かりになられる頃かと思い、突然ではありましたがご招待させて頂きました」


(そ…そんな理由で呼んだのか?……いや、そういう建前を用意してたのかもしれん。とりあえず会話の内容に気をつけよう)


警戒を崩さぬよう返事をして、食事を始めた…んだが、ただの自慢話しかしてこないぞ?


(コレ、本当にただの晩酌っぽいぞ〜…。気付かれたのか、とか警戒していた俺の気苦労を返せっ!まあ気付かれてたら困るんだけどさ!!)


その後も何事もないまま晩酌は終わった…。


「ふぅ…セシリア様、突然のお誘いに関わらず最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。また機会がございましたら是非お願いしたいものですな!」


「ええ。その際はまたお声掛け下さい。では夜も深くなってきたので、そろそろ失礼致します」


最後に挨拶を済ませて椅子から立ち上がり、椅子の横で礼を尽くしたその瞬間―――。


突風が起こり、視界を遮る髪を抑えたのだが……――


「ぬぅ!風もセシリア様のお休みを急かしておるようですな!」


「え、ええ。その自然に従って休むと致します。それでは…」


テラスを後にして部屋に戻ってから…最後のマラカスのニヤつく顔を思い出すと腹が立ってきた!


(あの野郎…!絶対突風で捲れ上がったスカートに視線がいってたぞ!?覚えてろよ…必ず失脚させてやるっ!!)



一方、セシリアがそんな怒り狂いながら自分の失脚を狙っている事など気付いていないマラカスは……――


「ぐふふ。最後の良い物が見れたな!起こる事を期待してテラスに誘った甲斐があったというものだ。それにしても…思ったより淫猥な下着を履いておるのだな暇というのは。まさか前面があんなに透けている紫の下着だとは思わなんだわ!」


元々晩酌には誘う予定だったマラカスが、テラスという場所を選んだのはたまに起こる突風を狙っての事だった。座っている時に起こったなら意味がさほど無いが、まさか最後の最後であんな幸運が起こるとは……。


マラカスは自身の未来も明るそうだ、と歓喜に震えた。


―――これが最後の晩酌になるとは夢にも思わず………。

ご感想や誤字脱字のご報告、また評価をして頂けたら非常に励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ