81話 再びグレンダンへ…
カイルから助言を貰って、翌日。またレイに乗ってグレンダンへの道を進んでいるが、シュナイゼルがこちらにきてくれるか不安だ…。カイルは大丈夫だと言ってたが、ここで躓くと先へ進めない。
レイがそんな俺の不安を察してか、俺の方を見て励ますように見つめては前を向いてを繰り返している。
(本当にレイは良い馬だ…)
父から貰った物は数多くあるが、その中でも今1番嬉しいと感じるのは、このレイを貰った事だな…。元男だからドレスや小物などは正直微妙だった。今でこそ気にしないで着ているけど、幼い頃は貰っても素直には喜べてなかった。それを感じたのか、軍に入ると決めたからか、ミスリルの剣と鎧がきたときは、男心がくすぐられてはしゃいでしまった。
そのあまりのはしゃぎっぷりが気に入ったのか、それからすぐに送られたのがレイだった。馬を駆る騎士なんてそれこそ男心どストライクだったけど、まあ初めて実物を見たから最初は怖かったものだ…それでも近くに寄ってきてくれるレイが可愛く思えてきてからは、それはもう溢れんばかりの愛情を注いだ。そしたらそれに応えるようにレイも懐いてくれて………。
(はっ!?いかんいかん、いくら安全な道を移動してるだけとはいえ、レイの事を考え過ぎて周りへの警戒が疎かになってしまっている…)
安全といっても比較的には〜という話。可能性は限りなく低いとは思うけど、警戒を怠って奇襲でもくらおうものなら、将軍として恥だ。気を引き締めなければ…!
………それから時は経ち、日も沈んで夜中にグレンダンに戻ってきた。
(まあ何も無かった……。こうなると当たり前とはいえ、警戒してた自分がちょっと恥ずかしかったりする…)
いやいや!何も起こらないのは平和の証!!良い事じゃないか!丁度良く夜中に着いたし、マラカスや騎士団に悟られずにシュナイゼルに会うには、シュナイゼルの部屋に忍び込むしかない。普段は訓練中は周りに騎士団の奴らがいるし、夜はマラカスがいる。座学中も何か頼むときの為にメイドが控えているから、2人きりになるにはそれしかない。
夜中に戻ってきた事にマラカスの屋敷のメイドに驚かれたが、すぐにマラカスを呼んでくると言うメイドに、こんな夜更けに将軍を起こしのは忍びないから明日の朝に報告する、と断りを入れて当てがれている部屋に戻る。
部屋にいたシェリルとメリルにシュナイゼルに隠れて会わないといけない、と用件を伝え、こんな夜中に無いとは思うが誰か訪ねてきたら上手く偽装してくれと頼む。
騎士服やドレスでは目立つと思って王都から持ってきた黒のボディスーツ?と言えばいいのかなこれは…ぴっちりとして身体のラインが浮き出てしまうが、こんな感じの服が潜入の定番じゃないか!?とちょっと気持ちが高揚した。
「では行ってきます。2人とも何かあったらお願いしますね」
「かしこまりました」
頼りになる専属メイドの返事を聞き、窓を開けて身を乗り出しながら思う……。
潜入ミッションってなんかカッコよくない!?と………。




