74話 グレンダン初日終了
(……下着泥棒ね〜…初日にこんな事件が起こるとはね…)
シェリルからの報告を受けて、この部屋を3人で使う事にした。シェリルとメリルは片付けた荷物をまたまとめてこちらに持ってくるため、部屋に戻った。
(シェリルがあんな怒ってるの初めて見たな…。俺への不敬か、下着泥棒だとしたら女性の敵だからか、温厚で冷静なシェリルが怒りを隠しきれないほどとはね…)
どちらも混じってるからかもしれないな…。シェリルは幼い頃から俺を見てくれていた存在。自分で言うのもなんだが俺への忠誠心はかなり高いと思う。それに服飾に対する拘りが非常に強い所謂オシャレさんで、特に「女性の魅力は着けている下着から滲み出る!」と豪語してるぐらい、下着に愛着を持っている。
(それにしても今回の不法侵入は本当に下着泥棒なのか?でもそんな貴重品は持ってきてないし、それしか考えられないのかな?)
だがこの地に初めて踏み入れた王族の下着を盗みに入るか?ある意味プレミアみたいなものはつくかもしれんが、リスクが高過ぎる…。しかも初日に訓練の留守をしっかり狙って侵入している。少なくても俺がここにいない事を知っていたのは間違いないだろう。
(俺がグレンダンに来た事は街にも知られていた。そうなると誰でもありえるが、ここはマラカスの屋敷。普段はどんな感じなのか知らないがそう多くの人間が出入り出来る場所ではないはずだ。少なくともこの屋敷の関係者と騎士団の誰かだろうな)
騎士団の連中のクズさを見たから可能性はありそう。でも1番怪しいのはマラカスか?挨拶した後は何処にいたか知らないし、あいつは俺にご執心らしいからな。
(出発前にカイルから聞いた、マラカスは俺を妻に迎えたいと再三申し出をしてたこと。俺というかセシリアの肢体も理由だろうけど、恐らく王位を狙う為でもある)
俺は王位継承権を放棄しているが、婿養子を迎えた場合はどうなるか分からない。俺にやる気は無くても婿養子を担ぎ上げて利益を得ようとする輩は絶対に出てくる。それがマラカスならなおのこと。一応、マラカスは仮にも将軍という地位にある有力者だからな。
(まあまだ色々と決断するには早過ぎるか…グレンダンに来て初日だ。自国だから滞在期間なんて特に決められていないしな。俺としては将軍の仕事したいけど…。カイルにも任されちゃったしやるしかない)
なんかこんなんばっかりだな俺…王国の為になってはいるはずだけど、王女である事、もっと正確には女である事を利用してばかりだ。
(まあいいけどね。やれる事はやると決めてるんだ。それが一般的には情けないやり方でも勝てば官軍という…)
本音はもっと武勲で国に貢献したいけどね………。
こうして色々考えちゃったがシェリル達がこの部屋に戻ってきて、荷物の片付けを終えて、グレンダンでの初日は過ぎていった。




