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転生したら王子と姫になったので国の為に頑張る!  作者: レオン
第二章 女神ルシア
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58話 聖女クレア

ロペスが教会を去って3日。

後任が決まらない混乱した王国総支部は頼りに全然ならない2人の神父を見かねて、シスター長が代理を務める形でなんとか運営している。


(ロペスの追放後すぐにシスター長が聖女に手紙を出したそうで、今日あたりにでも着く予定らしい)


まだ聖女が枢機卿に就けるかは分からないがほぼ確定だろう。彼女と会い、人柄を見て聞きたい事は聞けば俺も教会を心置きなく去れる。その時はもうすぐだろうな…。


少しの間とはいえ、頑張って仕事をし、シスター達とも民とも触れ合えた有意義な時が終わる事に一抹の寂しさを感じていると………。


信者達で賑わっていた聖堂の空気が変わる。どこか神秘的な雰囲気すら感じるほどに澄んだ気配は入口に立つ女性から滲みでるオーラのようなものだった。


(すげえ美人だ。それにどこか儚げながらも芯のしっかりした雰囲気を感じる。もしやあれが聖女か?)


まるでモーゼの十戒かのように人混みが左右に開けていく中、慈愛の笑顔を浮かべ周りの人達と言葉を交わしながら真っ直ぐ俺の方に向かってきている。


(ヤバい、ちょっと緊張してきた…。聖女という存在が具現化したような人だ)


純白の修道服にさりげなく飾られた装飾は嫌味を感じさせない絶妙な作り。そして白銀の流れるような髪に少したれ目のおっとりとした印象を受ける顔立ち。スレンダーなスタイルは修道服を着る為に作られた芸術品のようだ…。


「貴方様がセシリア王女ですね?私はルシア教司祭クレア・クレッシェンドと申します。この度の教会の不手際を収めて頂いたこと誠に感謝いたします。私では力及ばず叶えられなかったロペスの断罪を行ってくださるとは…。」


「貴女が聖女クレアですか…。仰る通り私がヴァイオレット王国王女セシリア・ヴァイオレットです。此度の事は偶然に成せたこと。ですが教会の為に働けた事は光栄でした。」


「セシリア様、事のあらましはシスター長の手紙で読みましたが、貴女様のお話を聞きたいのですがお時間よろしいでしょうか?」


「はい。私も聞きたい事があります。」


聖堂のルシア像の前で聖女クレアと邂逅出来た。聞きたい事があるがここでは人の目が多い…。

それを察してくれたのか、シスター長が枢機卿の執務室なら誰も来ないからと気を利かせてくれた。2人で移動して執務室のソファーに腰掛け、まずは俺が話し始める。


「聖女クレア、貴女のような聡明な方なら気付いているでしょうが、私はここにロペスの断罪とある事を調べる為に参りました。」


「クレアで結構でございますセシリア様。ロペスを追放出来たのはセシリア様のおかげ。私に分かる事なら何でも聞いてください。」


「ありがとうございます。それでは、私は王国の生きる全ての者の為、いずれ来るであろう帝国の侵攻に備える準備を進めております。その中で最も重要なのは王国の戦力。戦わずに済むならそれが1番ですが、そう甘い話はあるものではありません。なれば戦力を底上げする手段、兵力の増強や善政を敷く事を兄のカイルと共に進めてきましたが、最後に女神ルシアの加護の解明が必要だと判断しました。」


「その為にルシア教会の総支部に存在するといわれる女神降臨書を拝見出来たらとこちらに来たのです。その所在は掴めないうちにロペスの不正を暴く証拠を発見し、苦しめられているシスター達や信者の女性達の為、告発して断罪した次第です。」


「…なるほど。セシリア様は本当に素晴らしいお方のようですね。教会を私物化していたロペスの追放、そして救ってくれた女性達を代表してお礼申し上げます。その素晴らしい行いに私もお答えします。」


クレアは俺を信頼してくれたみたいだ。ここで女神の加護の謎に迫る最後の砦。ここで無理だったら諦めようと思っていた。


「先に申し上げますが女神降臨書と呼ばれる書物はございません。」


(なにっ!?ロペスの口振りではありそうな感じだったが違ったのか…)


「そ…そうですか……。」


最後の頼みが無くなり肩を落とす。だが……


「早まらないで下さいセシリア様。[書物]は存在しないと申し上げたのです。女神降臨書とは其々の総支部にいる聖女の背中に魔法で刻まれ実在しているのです。これはお見せしたいと聖女が願わない限り浮き出てくることすらありません。ルシア教はそうやって降臨書をずっと守ってきたのです。」


「そんな方法で守ってこられたのですか…。」


なるほど。書物は、存在しない。聖女とはそういう役目も兼ねた存在だったということか…。


「私もまだ誰にも見せた事はありませんでした。ですが教会を正し、お優しいセシリア様ならばお見せします。ですが先に注意点を1つだけ。降臨書の内容は私も知りません。聖女が自分で見る事のできないように背中に刻まれるからです。ですから見ても私にその内容は決して話さないで下さい。」


「分かりました…。」


そう言ってソファーから立ち上がり俺に背を向けたクレアは修道服の上半身部分のみをはだけさせた。その滑らかな白い肌に注目してしまったのは仕方ないだろう。聖女らしい純白の上等なシルクのブラとかも思わず食い入るように見てしまった。


(散々メイド達の裸とか見てきても動揺しなくなった俺の精神は女性に近付いているんだと思ってたが…さすがにここまで美しい人は見つめちゃうね。一応元男だからねっ!?)


「ご覧下さい。これが女神降臨書です。」


美しく滑らかな背中に文字が浮かび上がってくる…。

その文字を一語一句間違えぬよう記憶しようと目を凝らして見ていると……。


「こ、これはっ!?」

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