4話 現状の把握
子供の頃から王族なんてしがらみがあったら色々問題解決するっていうのは
ちょっと無茶じゃない?と思う私。
なので、こうなりましたw
プロローグはここで終わります。
次話から本編開始!
あの誓いから早くも10年が経ち、俺達は16歳になった。ヴァイオレット王国では16歳で成人と認められるので、これからは公務など公の場に立つ機会も増えてくるだろう。
ここからが始まりだ。10年の間、この日から先の為に様々な努力を俺達はしてきた。
えっ?10年も経ってるのに端折り過ぎ?
……愚か者めっ!鍛錬や修行などというものは人知れずやってるからカッコいいのだ!勿論頑張っている姿は共感を生むだろうし、いきなりこうなりました。なんて説得力が無いように見える事だろう。
だが!俺はこう思うんだ。そんなの精々何をやってたかぐらいでいいのだと!修行風景なんて長々続くと飽きる!個人的な意見だけどなっ!
だから俺は簡潔に何をやってたかだけを答えるのだ!
剣術を磨きながら軍人となり一兵卒からスタート。王都近隣の魔物相手にヒャッハーしてるうちに昇進。部隊長になってからは指揮官として部隊運営などを勉強していたら将軍の地位に抜擢!いつの間にか姫将軍なんて呼ばれるようになる。これが1つ目!
そして曲がりなりにも姫という身である以上国の恥となるような振る舞いはあり得ないので、教養を身につけ、淑女なる所作や立ち振る舞いを叩き込まれる。これが2つ目!
…あれ?2つしかないぞ?俺、これでいいのか…
い、いや役割分担だ!
海斗ことカイルはその頭の良さを生かし、政治や外交、更に魔力も高かった事から、魔術師としての道も開いた。
第一王子であるカイルはこの国をいずれは背負う人間。俺はそれを支える為にも、カイルがやってない分野である軍の道を進んだ。カイルの方が負担大きいじゃん。と思った人!
………その通り!元々俺はそんな器用な人間ではないのだ!だから仕方なし!開き直っていくしかないぜこれ!…グスン
さて、色々あった筈だろう10年の説明終わり。機会があったら話すこともあるかもしれんが、とりあえずここからは現状の話。
この異世界には大陸が4つあり、我らヴァイオレット王国は世界の中央に位置する大陸、ルシア大陸の南東にあり、海に面している事や広くはない国土ではあるが肥沃な土地柄で、主に漁業と農業で成り立っている。東にある日本に似た島国があるが、多少の貿易がある程度の関係で友好国とはとても言えない状況。王国の先祖は島国出身という説もあるが、確かな証拠はない。まぁ貿易関係はあるのだからまだ関係の発展は見込めるだろうというのがカイルの考え。
これに対して、ルシア大陸にはこの他に、王国の西にある大森林を治めるエルフの国、エルンガスト公国があるが、ここはよくある閉鎖的なエルフの特性から国交は無く、正直、外交の道を模索するにも手詰まりの状態。
その大森林の更に西には魔族が支配するバルバロイ魔国。ここは王国とは距離もあり過ぎて実態は掴めていない。
更にルシア大陸の最北端から南に向けて約半分近くを占める広大な領土を有する世界最大の軍事国家…それが、ジェノアール帝国だ。先帝が崩御してからおよそ30年、現皇帝の方針か、先帝崩御の混乱から立ち直れてないのか不明だが、ここ最近は大人しくしてはいるが、元来侵略国家である帝国なので不安要素だ。ここから侵略されると王国はピンチなので、とりあえずの俺達の最大の敵。
他の3つの大陸についてはまぁおいおい説明しよう。今はさほど問題ではないから。
そして今、俺がカイルの部屋で同じテーブルで向かい合って座り頭を悩ませているのは、北にあるディスナ評議国からきた使者の話についてだ…
使者「やべぇよ、美男美女の兄妹とか…爆発しろっ!」