39話 色々先走ってる自覚はあるよ?
謁見の間での話が終わってから、緊張して疲れた身体を休めるため部屋に戻ってお茶を飲んでいると…
「セシリア!!なんて無茶をしてるんだ!?」
「っ!?」
こらこらカイルさんや、いきなり部屋に入ってきて大声出すんじゃありません。お茶を吹き出すところだったでしょーが!
あと親友とはいえ、今は女である俺の部屋にノックもしないのはダメだよ?メイド達がちょっと睨んでるからね?
「お兄様、ノックもせずに入ってくるのも失礼ですが、いきなり大声を出さないで下さい。あなた達、大丈夫だからそんなお兄様を睨まないで?戻って大丈夫ですよ。」
そういうと渋々戻っていくメイド達。その顔はちょっと不満そうだ…
「お兄様、さすがにこれはマズいですよ?次期国王たる者が礼を欠いた行動は城にいる者達に不信感を抱かせます。」
「あ…ああ。すまない。気をつける。」
さすがにマズかったと自分でも分かったのだろう。反省した面持ちで凹んでしまった。
「それで?どうされたのですか?」
「それだ!褒美に教会へ奉公に出る事を願い出たそうじゃないか!たしかに探るにはいいかもしれんが危険だぞっ!?」
なるほど。前もって相談もしてなかったしその件だったか…
「相談せずに進めた事は謝ります。ですが、急な話だった褒美の件とロペス卿が認めているとの発言からここしかない!と判断したのです。」
「うっ…たしかにな…褒美の件は俺は聞いていたが、セシリアを驚かせたいと父上に口止めされていたし、その流れなら仕方ないかもしれん…だが本当に行く気なのか?」
話に納得はしてくれたようだが、教会を探る危険性を考えると心配ってところか…相変わらず優しい奴だ。
「危険は承知しています。ですが今までの遠巻きのやり方では教会の闇を突けません。女神ルシアの事を調べるにも、教会の不正を暴くにも、そしてロペス卿を引きずり下ろすにも、これは必要な事です。」
そう俺達が王国を守るためにはどれも必要な事。チャンスとまでは言えないが、懐に飛び込む程度の口実が出来たならやらないという選択は無い。
「…分かった。くれぐれも用心しろよ?最悪、ロペス卿さえ引きずり落とせればいい。奴の存在は王国に害でしかないからな。」
「分かっております。お父様が特に期限も設けなかったのも私達の動きを察しているからでしょうし、焦らず確実にやっていくつもりです。」
その言葉に頷いたカイルは部屋を出ていった。
ロペス卿の返答次第だが、奴の態度を見るかぎり俺の奉公を断りはしないはず…聖職者でありながら私腹を肥やし、立場を利用して女性を囲い込む外道…
女神ルシアや教会の不正にまでは届かなくても
奴だけはなんとしても制裁を下してやる…!




