37話 2つの方策
真面目に書いたつもり………
でも何故か陳腐に見えるこの文才の無さよ…泣
胸糞悪くなる教会を出て城へ入った。
(あぁぁぁ!腹立つ!!あの腐れ神父めぇぇ!?)
城の廊下を歩きながらでも先程の怒りが収まらん。この際自分への被害は我慢するさ。でもあの男は気に入った女が見つけるたびに同じ事をしている噂がある。
(いや、噂というより事実なんだが…一般の人があいつを弾劾するのは無理。ルシア教から破門なんかされたら一家で迫害にあうから)
なら王女の俺なら!と言いたいがそれはそれでしがらみがあるんだ。王族といえども破門されたらかなりの痛手になる。そこまでするかは分からないが、可能性がある以上は迂闊に手を出せない。
(ふぅ…心を落ち着けよう。今はまだ教会にメスを入れる時じゃない。確実に落とせる証拠を集めてからでないと…それより亜人種への対応策の流布が先だ。全てが知らないなんてないだろうけど、知っている所でも誤りがあることもある)
城に入ってすぐ、首脳陣に謁見の間に集まるようお願いしている。部屋に戻って着替えたら俺もすぐに行かないと。
待たせてはいけないのでささっと着替え、謁見の間に急ぐ。
考えをまとめながら廊下を進み、見えてきた重厚な扉を開け謁見の間に入る。
既に王である父は玉座に、その横に寄り添うように母の王妃、カイルはその前方の一段高さが下がった階段部分で、両脇には大臣達も並んでいた。
「セシリア、只今戻りました。お呼び出ししておきながら遅れた非礼をお許し下さい。」
とりあえず遅れた事を詫びる。誰も気にしてないような笑顔だけど…
「構わぬ。皆も分かっておろうが此度の召集はセシリアによるものだ。将軍として陳述したい事があるとのこと。まずは聞くとしよう。」
「ありがとうございます。此度、ルーク村へ視察へ向かい現地を見て見識を高める必要に改めて気付きました。軍に所属している者ならまず知っているであろう、亜人種の偵察への知識がルーク村にはありませんでした。」
「これは亜人種に対しての初動に大きく関わる重要な要素です。もし、他にもこの事を知らない街があった場合、それらの街は亜人種による被害が大きくなっている可能性があります。私は戻ってきたばかりで調べようがありませんでしたが、お兄様に書状を出してこの場でご説明出来るよう準備しておりました。お兄様、お願いします。」
そう村にいる間に書状を持たせた兵士を王都に送っていた。ルーク村だけがそうではないと証明しておかないと、辺境の村だけの話ではないかと思われてしまう。
「それではここからは僕がお話しします。セシリアが言っていた内容を其々の街へ早馬を飛ばし確認しに行かせました。それらの回答は所謂都市の規模であれば周知のことでしたが、これは王都で訓練した兵士が派遣されているものによるものです。」
「ですが、町の規模になると主に自警団のような組織が増えてきます。それらの者達は当然正規の訓練を受けておりません。よって町や村にはこの事実が伝わっていないと言えます。そしてそれらの街では亜人種による被害が多いのも確認しています。」
さすがカイルだ。この短時間にそこまで情報を集めきれたか。頼りになるね〜、我が親友!
「知っている都市にも誤りがある可能性も踏まえて、亜人種の偵察への対応策をまとめたものを全ての街に流布する許可を頂きたく思います。」
「そして今まで軍は経費を削減する為野宿をするのが当然だとしていましたが、街への見識を広める為、更に兵士達の疲労軽減も含め、任務での街に宿泊する事をお許し頂きたい。」
「ふむ…亜人種への対応策は誰も反対などするまい。よってこれを許可する。問題の任務での外泊は経理の者の意見を聞こう。」
「はっ!此度のセシリア様のご意見、経理を担当する者としてはすぐに頷くわけにはまいりません。見識を勿論大事ですし、兵達の疲労軽減も理に適っておりましょう。なので外泊にどれぐらいの額を必要とするか、これをまず試してみては如何でしょう?」
「金額が多少かさむとしても私は賛成しますが、かさみ過ぎては流石に困ります。これはやってみないと何とも言えないところですので…」
「よかろう。では亜人種への対応策は即刻流布出来る様に取り計らえ。軍の任務中での外泊に関してはまず10部隊ほどで試してみて決めるものとする。」
「「「ははっ!!」」」
ふぅ〜…さすがにちょっと緊張したが、大まか狙い通りにいけたのでよしとしよう。
後にこの2つの方策は魔物からの被害を大きく減少させた偉大なものだったと、広く知られていくことになる………




