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転生したら王子と姫になったので国の為に頑張る!  作者: レオン
第二章 女神ルシア
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35話 小屋の穴

今日は午前の訓練を夜に回してもらった。

昨日の件で、魔物が近付いてる予兆を自警団に教える為だ。

ゴブリンやオークなどの所謂亜人種と呼ばれる魔物は、群れで動く前に必ず偵察を送り込んでくる。


(自警団の力は魔物を相手にするには心許ない。ゴブリン数匹ぐらいなら何とかなるだろうし、オークぐらいまでなら集団でかかれば倒せない事はないだろう)


大森林から人里に出てくる主な魔物はこの2種類だ。

だが、ゴブリンはともかくオークが攻めてきたら守れたとしても被害は避けられないと思う。

でも、偵察を殺しておけば安易に攻めてこないのは共通してるし、偵察を逃したとしても群れでやってくる前に援軍や避難など対策を打つ時間が出来る。


(軍では常識なのに、まさか自警団が偵察の存在を知らないとは思ってなかった。これは大きい収穫だ)


もしかしたら村と区分される規模どころか町の規模でさえ知らない可能性が出てきたのだ。

知識は武器だ。知っているのと知らないのでは大きな差がある。


もし本当に町の規模でさえ周知されていないのなら、これを布告して広めれば多くの街で被害を減らせるかもしれない。


(机上だけでは分からないことがやはりあるもんだな…これからはもっと積極的に色んな所に行ってみるのもありかもしれん)


幸い俺の仕事は外に出る機会が多い。今までは経費を少しでも節約する為に野宿が当たり前だったが、視察という名目も兼ねてやれば一石二鳥かもしれん。


(村に長居するのもアレだし、自警団には教えた訓練を続けてもらうように話してるし、偵察の確認方法を伝えたら俺がここで出来る事も無い。王都に帰る必要も出てきたしそろそろだな…)


昨日の午後に続いて、訓練を夜に回して出来た時間を使って部屋で考えをまとめていると、昼時になっていた…


奥さんの上手い料理を平らげて一休みしている村長に考えを伝える。


「村長。来た時のようでまた礼を失しますが、明日の昼に王都に戻ろうと思っています。」


「そ…そんな急にですか?」


「申し訳ありません。自警団に教えられる事は今日の夜に終わりますし、王都に報告しないといけない事も出来てしまったので…」


「そうですか…セシリア様が来られてから村はいつもより活気が出て、実に楽しい日々でございました。急なので何もご準備出来ない不甲斐なさをお許しください。」


「私もこの村に来てから大変楽しく過ごさせてもらいました。それに礼を欠いているのは私の方なのですから謝らないで下さい。」


そう村長に伝えてから家を出た。すると明日発つなら今日はお休みくださいと言われてしまい午後もやる事が無くなった。


(そこまで気を使わなくても…する事が無いのも案外辛いんだが…)


どうしようかと頭を悩ませる…


(そうだ!帰る前にもう一度秘密基地を見ておこう!子供の頃に憧れたあのワクワク感は王都では味わえないし、キリク達がいたら遊んで時間も潰せる!!)


そう決めて秘密基地の小屋へ歩き出す。といってもすぐそこまで来てたけど…

考える前から無意識に向かっていたというのか…!


(これが秘密基地という名の魔力…!?)


なんて1人で寸劇みたいな事をやってたら、ちょっと基地を通り過ぎてた…


(それにしてもなかなか古い小屋だよな〜…補修の跡なんかも見えるし、そこそこ手入れはしてるんだろうけど)


最後になるかもと小屋の周囲をぐるっと周ってると…


(ん?ここの壁だけ木の色が違うな…この大きさなら子供が通れるくらいか?)


(はっ!!抜け穴かっ!?…分かってるなキリク達よ、秘密基地とはそういう道があるのがカッコいいんだ!)


どんな世界でも男が考える事は一緒だな〜。


(………いけるか?見てしまったからには試してみたい…。見た限りそこそこ大きめの穴ではある…ええい!悩んでも仕方ない!試したいという本能に従っていくんだ!!)


小屋の中に人の気配は無いから、子供達に見られる心配も無い。


いざ!ゆかんっ!!!



………嵌っちゃったよ………


頭から突っ込んで腰まではいけたのに尻で引っ掛かった…抜け出そうともがいているうにスカートがめくれたのか、尻がスースーする…


(ヤバいね…外から見たら怪しさ満点の光景になってるよこれ…進もうとしても戻ろうとしても抜けない。…どうしよう?汗)


このままで誰かに見つかるわけにもいかん。こうなったら壊すか?と本気で考え始めたとき…


「うわっ!?抜け穴からお尻が出てきてる!?」


(この声はキリクか?背に腹は変えられん。助けてもらおう…)


「キリク…ですか?セシリアです。穴を見つけて潜り込もうとしたらハマってしまいました。助けてくれませんか?」


「お姉ちゃんだったのか…助けてって言われてもどうしたらいいの?」


「引くのは難しそうなので、小屋の中に抜けるよう押してもらえませんか?」


引っ張られると胸が引き摺られて痛そうだ。押してもらうしかない。


「分かった!じゃあ押すよ〜!!」


「ひゃっ!?」


「えっ?なに!?」


「いえ。なんでもありません。お願いします。」


(そうだよな。向こうから押すなら尻を押すしかないよな。ちょっとビックリして変な声出ちまった…)


根は良い子なんだろう。キリクは必死にやってくれた。その甲斐もあって小屋の中にスポッと抜けたんだが…


(押されてる時から分かってはいたけど、めっちゃ下着が食い込んでる…真面目にやってくれたんだから仕方ないが、この食い込みはもうTバックだよ…穴にハマった事と合わせて、流石に俺も恥ずかしい…)


「キリク!ありがとうございます。」


「ううん。大丈夫だよ〜。…白いご褒美もあったしね…」


「何か言いましたか?」


「言ってないよ〜。」


何か聞こえたと思ったんだが、小屋の壁越しだから聞き取れなかった。

それからすぐに他の子供達も集まってきて夜の訓練までひたすら遊んだ。



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