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転生したら王子と姫になったので国の為に頑張る!  作者: レオン
第一章 ディスナ評議国
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19話 羞恥の宴

本日夜の投稿です。

ドランの部屋から自室に戻り、早馬に持たせる書状を書いていく。1つは王である父に外交上必要な処置だと許可を求める物。公務に携わるようになったとはいえ、為政者であるのは国王である父であるので、ここを通さずに話を進める事は出来ない。


今回のように先に約束を取り付ける事は本来あってはならないことだ、王女だとしても。だから急な話であった事と、同盟賛成派に評議会全員を説得出来た事を伝えて成果をアピール。何も手柄が無いのに自分の要求を通そうとするのは愚者のやる事だ。

そして、折角説得出来たのだからここを受け入れておくべきと外交上の理を説く。父は聡明な人だからこれで伝わるはずだ。


更にカイル宛にも手紙を書く。こっちはディスナで感じた違和感を伝えておくためだ。訓練の内容のわりに膂力が強かった指揮官。勿論才能という可能性もあるが、疑問が生じた時はカイルに相談すると決めている。カイルの頭ならその違和感を解くカギを見つける可能性があるという信頼だ。


手紙を書き終えて、馬に乗ってディスナに来た兵士5人を早馬として王国に送る。来るときは何も起こらなかったが用心はしなくてはならない。精鋭である兵士達ならば余程の事が起きない限り5人でも対処出来る。


……万が一何か起こったとしても、1人が手紙を届ける役目を果たすために他の者は死を覚悟してでも、その1人を逃がす。

国に送る情報というのはそれだけ重要なのだ。命のほうが大切などという綺麗事では片付けられない現実がある。


そう理解していても辛いものだけど…そんな俺の心情を察して、それでも笑顔で「行って参ります。」と言ってくれる者達が周りにいるという事がどれだけ幸せなことか…


その笑顔に応えるように俺も笑う。


「任せましたよ。道中気をつけて行きなさい。」


「「はっ!」」


返事をした兵士達が、馬を駆けて遠ざかっていく。


(どうか無事に着いてくれよ…)


太陽が降り注ぐ中、いつまでも慣れない見送るという事に、ちょっとしんみりしてしまった昼頃だった。


だった…のになぁ〜


それから帰り支度の準備を終えた頃には日が沈みかけていて、予定通り宴が催された。ウィルも準備を済ませたのだろう、宴の席にちゃんといた。


始まった宴…皆がワイワイ騒ぎながら思い思いに酒を飲んでいる…ように見えるが、気づかれないようにしてるつもりなんだろうけど、その視線はチラチラと1つの方向へ向けられる…


(ねぇ…もうこれわざとだよね?と勘繰りたくなる…いや、俺もディスナの事を少しは知ったからそんなつもりじゃなかったのは分かるさ。職人の多いディスナは男社会だもんね!?宴の席、しかも上座に女が座る事なかったんだろ?でも普通気づくだろこれは…)


国賓である俺が上座にいて、ドランやダラスが隣にいるのは分かる。だけどさ!上座の位置が丁度座っている奴ら座高の高さぐらい上がっている。これもまぁ珍しくはないさ…

でも、高さを微妙に上げた上座のテーブルの足部分は前面まで作っておくものだろ!?

それが無いのだとしたら、テーブルクロスのよう布で覆っておくものだよ?


それとも何?最後だし正装でいくべきだから、俺の場合は騎士服だ!と意気込んできた俺が悪いの?


(くそぅ…こんなとこで男社会の女性の扱いがなってない事を知るとは…!ていうか見過ぎだろ皆!?)


ここにシェリルやメリルがいてくれたら発言してくれたのに…2人は「メイド如きが宴に参加するわけにはいかない。」と部屋で休んでいる。なんてこった…


隣のドランやダラスが話しかけてきて、必然と話す以上は相手の方に身体が向く。その際に当然下半身も動く…そうするとチラっとは言えないレベルで目線を向ける宴に招かれた者達。


淑女たる所作を叩き込まれた俺は足を開いて座ったりなどしない。それでも一抹の望みをかけたかのように下着が見えないかと俺が動く度に視線を向けてくる。


(こ、こいつら…必死すぎだろ!?どんだけ気にしてんだ!なんでディスナの野郎共はこんなガツガツしてんの…)


向けられる視線にちょっとイライラしてたのに加えて、更にダラスが無くなったらすぐに注いでくるから飲み過ぎてしまった…



酔いが回って時間の感覚が無くなっていたのだろう。いつの間にか夜も深けていた。

それに気づいたドランが…


「おっと、もうこんなに時間が経っていたか。セシリア様は朝には出立されるから、ここら辺でお開きとしよう。セシリア様、宴に参加して下さりありがとうございました。」


「いえ、こちらこそ楽しく飲めたうえに、皆様と親睦と更に深められて嬉しいです。ですが、さすがに限界のようなのでお言葉に甘えて失礼させていただきます。」


そう言って椅子から立ち上がろうとした瞬間…!

最後の望みをかけ、酔っているなら大丈夫だろうと全神経を目に集中させて、もう凝視と言えるほどに視線を向けた野郎共。

奇跡よ起きてくれ!と願う者共に、酔ってしまっていたセシリアは願いを聞き届けてしまった。


立ち上がろうとした際に酔っていて足が思うように動かなかったのか、力が抜けてしまい床にへたり込んだ。

そして偶然なのか、男共の願う力が奇跡を起こしたのか…


セシリアは俗にいうM字開脚の体勢で床にお尻をつけてしまった。外側に広がってしまった足先から滑らかな山のラインを描き、辿り着く三角地帯。

そこには神々しさすら感じる純白の下着。酔って火照った身体から流れる汗がより一層美しさに拍車をかけていた。


その奇跡の絶景に……。


((うぉぉぉぉぉっ!最後に奇跡が訪れたぁぁぁ!))


狂喜乱舞する馬鹿な男達の心の叫びが木霊するのだった。




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