11話 ディスナ評議国に到着!
ここにきて漸くセシリアの容姿の話w
ディスナ評議国の首都オーガン。
初めての他国の首都というのもあるが、オーガンの装いは男の心を持つものとして非常に興味を惹かれるものだった。
一目で技術が高いのが分かる…
20メートル近くはある分厚い城壁。その城壁の上には防衛用の兵器であろうバリスタが等間隔でかなりの数が並んでいる。町中に見える数々の煙突からは、吹き上がる煙と周りの山脈との調和は、ある種の絶景だっ!
流石大陸随一の技術を誇る国の首都!
(ヤバいぞ!めっちゃ興味が沸く!!3日程度とはいわず、長く滞在して色んな所を見てみたいっ!)
はっ!いかんいかん…俺は国を代表して来ているのだ。私情に囚われず、物事を冷静に見極めなくては…!
技術に興奮していた心を落ち着け、身嗜みを整えていると…
「ヴァイオレット王国の王女様の馬車とお見受けいたす。私はディスナ評議国評議会議長を務めておりますドランと申します。セシリア王女をお迎えに参上しました。」
城門の手前で壮年の男性が待機していた。評議会の者が直々に出迎えるとは…それに周りにいる者も着ている服の上等さを見るに評議会の者だろう。
…だが、その数は7人。ここに来てない者は王国に対して思うところがあるというところか。
しかし、自ら出迎えられたその心意気にこちらも答えなくては。
「ディスナ評議国評議会の方々の自らのお出迎え、誠に感謝致します。私がヴァイオレット王国王女、セシリア・ヴァイオレットでございます。此度の表敬訪問をお伺い出来た事を光栄に思います。」
そう言葉を述べ、スカートを軽くつまみ上げながら頭を下げる。礼を尽くし、顔を上げて正面に立つ議長の顔をしっかりと見る。危険な存在だと思われてはいけないが、舐められてもいけない。毅然とした振る舞いである必要がある。
多少緊張しながらもそこそこ上手くやれているんじゃないか?と自画自賛していたら周りがちょっとガヤガヤし始めた。…あれ?もしかして失敗した?と動揺し不安になりそうになるが…
(おお、なんとお美しいお方なのだ。あの髪と瞳の色、王国は東の島国の血が流れているという噂があるが、あれなら肯ける。)
(あの腰の中ほどまで届く黒髪の美しさはなんだ!?夜空をそのまま写したかのような髪だ…)
(それにあの瞳だ…漆黒のようで少し青みがかっているようにも見える。色んな宝石を見てきたがあの瞳に勝てるものなどないぞ…見ていると吸い込まれそうだ。)
(なにを言うておるのだ!それよりあのスタイルじゃろ!?女の中では少し長身のようだが、だからこその手足の長さ。胸は育っているが下品な大きさではなく、腰のくびれはまるで芸術のようなライン。)
(そして、鍛錬してるからか引き締まった尻!だが、引き締まっていながらも見るからに柔らかそうな男の理想のような尻じゃ…)
(あのスタイルの良さからくる艶かしい色気と、それとバランスをとるかのような程々の長身による優雅さ…もう女神ルシアの生まれ変わりと言われても納得しそうだ。)
「これお前達騒がしいぞ!王女様の前で失礼であろう!?…申し訳ありません。皆、少々舞い上がっておるようでお恥ずかしいかぎりです…」
「いえいえ。歓迎の気持ちが伝わり嬉しく思います。それでドラン議長、これからの予定をお伺いしても?」
「おぉ、そうでした。歓迎のパレードをご用意させて頂きました。パレード用の馬車を拵えておりますので、そちらにお乗り頂き、ディスナの民にもご尊顔をお見せいただきたく存じます。」
「承知しました。パレードまで準備していただいているとは…再度感謝の意を…」
「もったいないお言葉です。それでは馬車へどうぞ。」
「はい。」
顔が見えるように壁を取り払って、見えやすいように高さがあり、そこには1人では余裕のあり過ぎる豪華な椅子。ちょっと派手だな…と思うが腰を下ろし、「出して大丈夫です。」と声をかけたらゆっくりと馬車が走り出す。
兵士やメイド達はその馬車の後ろに追従する形で、正面に見える大きな城に向かうのだろう、そこまで一直線の大通りの道を進み始めた。
約30分ほどで城に辿り着いた。思ったより早い…まぁいいんだけどさ。でも…たった30分だが…
(つ…疲れた…ディスナの民は快く受け入れてくれたのは嬉しかったが、笑顔でずっと手を振り続けるというのは見た目以上に重労働だ…手がパンパンだよマジで…)
何度か歓声の中にちょっと不自然な視線を感じたが、概ね無事にパレードを終えた。
えっ?パレードなのに感想が少ない?
いやいや、他に気になることなんて無かったんだ…
ホントに無かったよ?
野郎どもの視線の殆どは舐め回すような視線とかなかったから!
…くそぅ…折角のパレードだったのに…気持ち悪い視線ばかりだったよ…ディスナの人達、ちょっと性に正直過ぎる……
パレード中
???「あれが王女様か…ヤバい…惚れる」




