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001:プロローグ
人間には生きていく上で、良くも悪くも転機となる日がある。
俺にとって、それは今までに四度。
なにひとつ護れずに父と母と妹を失って、俺自身も死に損なった六歳の冬の日で。
孤独感に押し潰されそうな俺を救ってくれた、初恋の幼馴染と出逢った七歳の春の日で。
その幼馴染を護ろうとして一度死に、彼女の願いで人造人間になった九歳の夏の日で。
おそらくは地球最強である師匠と一戦交える覚悟で、神様と友達になった十二歳の秋の日で。
そして、今日がきっと五度目だった。
澄み渡る青空の異世界で、蒼い髪と瞳の少女と出会った十七歳の日。
この日のことを、俺は生涯忘れないだろう。
もう一度死ぬまで、絶対に覚えている。
そう思うんだ。
だって。
笑って、泣いて、怒って、哀しんで、それでもまたみんなで笑う。
そんな異世界生活は、この日から始まったんだからさ。